ウォシ

ジャッジ!のウォシのレビュー・感想・評価

ジャッジ!(2013年製作の映画)
3.7
ダメCMを国際広告祭で入賞させるべく広告代理店が裏で奮闘するコメディ。

評価される作品というのは「どれぐらい素晴らしいか」よりも「偉い人を何人味方につけてるか」という黒い基準からなるという事を、映画的に誇張された世界観でありながらもまざまざと突きつけてくる。

純粋な「好き」でたとえライバルだろうと評価する事が勇気ある行動となる。
クリエイティブとはほど遠くなった世界をそんな価値観で渡り歩こうとする力強さは希望を感じさせる。

冒頭のキツネを猫に変えさせられるくだりは、実際に仕事で似たような事を食らってきたので今見ると辛い…
大勢の「良い」が社長1人の「何か違う(具体的に何かは言ってくれない)」でひっくり返され激務再開となる事はよくあります泣
観た当時は就職前の大学生だったので笑ってられたけど、今は本当にこんな状況あるんだ…と社会の厳しさを味わっています笑

「◯◯が作った料理だから美味しい」ではなく、「自分が美味しいと思った料理だから美味しい」。
映画レビューを書く上でもこのような価値観は大事で、その気持ちを思い出させてくれます。

ただマイナス点もある。
特に実際に賞を獲ったCMを使って作中でベタ褒めするのはどこか贔屓してる感じがあって正直フェアな感じがしないところ。
不当な組織票と戦う話なのに「このCMを良いと思わないなんて…」というまた違った圧を感じてしまう。
説得力はあるけどここも架空のCMでやって欲しかったところ。
ハケンアニメ!みたいにやってくれたらすんなり入り込めたと思うけど、賞獲るほどのCMって神作画アニメを作る以上の難易度だと思うのでそれは結構無茶な要望なのかも。
ウォシ

ウォシ