広告業界内幕もの。代理店の新人、妻夫木聡がむりやりサンタモニカ広告祭(カンヌ広告祭のパロディ)の審査員をやらされる話。
前半は広告業界をブラックに描いていて(まんざら誇張でもない)笑わせる。豊川悦司、リリーフランキーなど脇役も豪華でおもしろい。
しかし後半(サンタモニカでの審査シーン)になってトーンダウン。外国人審査員たちにリアリティがないことと、審査がけっきょくは根回しとか政治みたいな話になってしまうからだと思う。その政治の世界で、妻夫木くんが青くさい理想論を述べるみたいな展開に鼻白んだ。
あと、審査で登場するCMは、クライアント名もCM自体もフェイクのものばかりなんだけど、なぜかトヨタのCM「humanity」だけが実名で登場する。このCM、カンヌで銀賞を取った実在する作品で、これ自体は傑作なんだけど、映画を使ってトヨタのヨイショをしているような気分になり、釈然としなかった。