Arbuth

フィルスのArbuthのレビュー・感想・評価

フィルス(2013年製作の映画)
3.8
“ルールに例外なし。“

これまたとんでもない作品に出会ってしまった。
キーヴィジュアルやタイトルから主人公はワルい奴っぽいな…と思ってはいたけど想像以上にワルでクズだった。とても狡賢く、言葉巧みに他人の思考や行動を操る。おそらくサイコパス。観ててしんどくなるくらいヤバい奴。

観続けるのキツいな…と思ってたところから、別の意味でヤバい奴であることが徐々に明らかになる。度重なるバッドトリップ、剥がれ落ちる優秀な警官の仮面。次々に明かされる過去のトラウマや本当の姿。双極性障害か。
あんなにクズで胸糞だった男がだんだん憐れになってくる。印象が120度くらい変わった(クズ警官には違いないので180度は変わらない)。

映画はサイケな色彩とパンクなBGMがスタイリッシュでカッコいい。やっぱり原作者が『トレイン・スポッティング』のアーヴィン・ウェルシュだからか、雰囲気が似てる。
イギリスのこういう弱い男の一面描いた映画大好きです。

ラストはこれ以上ない衝撃。そうくるかー、でもそれしかないよな…と納得の結末。

いやーなかなかすごい作品でした。ジェームズ・マカヴォイさん、迫真の演技。あっぱれ。
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