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マイティ・ソー ダーク・ワールドのRenのレビュー・感想・評価

1.5
ロキが牢屋に入れられていたことしか覚えていなかったけど、今回再見してみても来月には内容忘れているだろうな〜と思ってしまった。面白いとかつまらない以前に、何も無いと感じてしまいまう。記憶に残らない文字通りのダーク・ワールドになってしまった皮肉な作品(好きな方 大変申し訳ございません)。

とにかく分からない112分。作り手は今作で何を見せたくて・何を伝えたくて・どこで興味を惹かせたいのか、ずーっと見えてこないのでこちらとしても全くのめり込めない。
脚本もどこか散漫な印象を受けた。軸がハッキリしない、と表現したほうがいいかもしれない。これを言ってしまってはお終いな気もするけど「結局何の話だったんだろう」と。

主人公・ソーが前作以降 真面目になってしまったため、この段階でよりキャラクターとして面白いのがロキの方になってしまったのも、微妙にコレじゃない感を扇動していた。だとしたらもっと露骨にロキを打ち出したほうが成功した可能性もあったのでは....?(実際、前作以降の人気にあやかり、今作ではロキのシーンの追加撮影が行われたらしい)
魅力的で掘り下げ甲斐があるのはロキ、物語の導入・軸となるのはジェーン、でも主人公はソーというアンバランス。
前作ではソーが異文化に触れること自体がコメディになっていたけど、今作ではせっかくその逆(ジェーンがアスガルドに来る)をやっていたのにそれが映画的面白さの底上げに寄与していなかったのも少し残念だった。

でも今作最大の珍作ポイントは、ヴィランであるマレキスに何の威厳も魅力も感じられないこと....。映画を最後まで観ても彼に抱く感想が「お前誰だよ」であった。なぜあなたはエーテルを使わないとダメなの?あなたの動機は?などなど疑問を持ち始めたら止まらない。アバンタイトルの自体で興味を全く持てないのはかなり痛いと思う。キャラデザも全然覚えられないし。

牢屋でやさぐれるロキ、キャップのカメオ出演、前作とは打って変わってアクションを見せてくれたヘイムダルなどはシンプルに良かった。

その他、
○ あっちこっち飛ばされるムジョルニア可愛い。
○ 助手と助手の助手の2人が物語を牽引するコメディリリーフ。推せる。
○ 物語の多くが「これってロキかロキじゃないかどっちでしょう」大喜利。
○ 多くの人が言っているけど、中盤の空中戦はやはり「スター・ウォーズ」すぎると改めて感じました。どっかにハン・ソロが混じっていても違和感無い。
○ 個人的には、良いとか悪いとか以前に「心に残らない」から低評価になってしまいますが、これからMCUを観ていこうとしている方におかれましては鑑賞を強く推奨。今後のサーガで重要になるインフィニティ・ストーンの何たるかを知るためにとても大切な映画(『~ エンドゲーム』観賞すると今作の評価も遡及的に上がる、といった意見も散見しなるほどと思いました)。
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