のら

クローズEXPLODE(エクスプロ―ド)ののらのレビュー・感想・評価

2.0
クローズ ZERO 2 のひと月後を舞台に始まる新世代の物語。

滝谷や芹沢などの 23期生の卒業後の話という設定だが、キャスト陣は一新され前作に出てきた 24,25期生が一切登場しないなど作品の継続性を一切感じない作品になっている。

特に主人公を演じる東出昌大が不良特有のギラついた感じがない上に、成り行きで鈴蘭に転入してきたので何をしたいのかわからない。序盤で父親が誰かに暴行されて死んだ事を示唆するインサートが入り、父親の死と因縁がある人間が鈴蘭にいるのか?と思いきや、中盤で父親はボクシングの試合で亡くなった事が明かされる。その為鈴蘭のテッペンを取る決意をするシーンも、成り行きや思いつきで決めたようにしか見えず、不良映画にありがちな燃える展開にならない。

また主人公のライバルになる早乙女太一演じる加賀美も、基本的に父親の暴力団の金魚の糞でしか無く小物感しか感じない。逆に鈴蘭の No.1 の強羅を演じた柳楽優弥や、本作の敵となる藤原を演じた永山絢斗はいい味を出しているが、基本的にサイドストーリー扱いで、結果ボスキャラのはずの藤原を倒すのが東出昌大ではないという謎展開になる。

これの何が拙いかというと、前作から続けて登場するやべきょうすけと高橋努の二人が勤める中田オートが暴力団の奈良岡によって地上げされ、奈良岡の手下である藤原と加賀美放火されるというエピソードがある。しかしそれに対する落とし前がしっかりされて無く、奈良岡の結末もラストで産廃規制法で逮捕されたという新聞記事で処理されるだけで、前作にあったような見終わった後にスカッとする展開が無い。

全体的に台詞もダサく、特に決め台詞も棒読みだし、主人公の東出昌大の滲み出る育ちの良さが不良物としての魅力を削いでいる。みんなが見たかった物は柳楽優弥が主人公のクローズだったのでは無いだろうか?
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