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パッションのRのレビュー・感想・評価

パッション(2012年製作の映画)
4.1
めちゃくちゃ久しぶりに、映画鑑賞を超える読書の波が来ていて、見る映画の本数が激減しております。読書用の記録アプリでフィルマークスばりにいいのってないんですかね? どなたかご存知の方、教えてください。一応読書メーターというのを使ってるのですが、若干使いにくいような……というわけで、ひさびさにデパルマ見てみました! やっぱりいいですねーーー。技巧とスタイルに振り切って、内容が半分以上どうでもよく、それでも許せるのはこの人の映画くらいじゃないでしょうか。そういうモノとして割り切って愉しむのがいちばんかもしれない。しかも本作はめちゃくちゃキャンプな官能ミステリー。音楽が絶妙にダサかっこいい80〜90’sの響き。当時流行ったエロティックサスペンスが好きな人は、確実に楽しめるでしょう。アップルのパソコンのスクリーン上に、新しいスマホ広告の動画を見つめるふたりの女。その顔面ドアップをとらえたショットから、おお〜いい感じーーー💓ワクワク。つまらない広告ね。スマホの宣伝はもっとスマートでなくちゃね。ね。レイチェルマクアダムス演じるクリスティーンは大手広告代理店のベルリン支社で働くバリバリのやり手ビッチ。彼女を憧憬する優秀な部下イザベルは最高にいい宣伝方法を思いつき、ロンドンの会議でプレゼンすると、大好評を博す。しかし、クリスティーンはそのアイデアを自分のものだと主張、そのことにショックを受けるイザベルに、ビジネスとはこうやって成功していくのよ、とクリスティーン。イザベルの意中の男に関してもクリスティーンの意のままに振り回され、自身のハメ撮り動画までクリスティーンに見られてしまって、そのことに激怒して荒れ狂うイザベルのみっともない姿をこっそりビデオに撮られ、社員たち全員に公開してしまう……そのすべてを満面のドヤ顔でやってのけるクリスティーンのビッチっぷり……すごいっす。とにかく前半はこのふたりの火花散る(?)やりとりが楽しいです。いやーしかし皆さん、ほんま自分のエロ動画とかゼッタイ撮るもんじゃないですわ。いつどこで流出するかわかれへん。どれだけ相手を信頼しててもコレだけは絶対にやめときましょう。で、前半のホットで鮮やかな色彩とラグジュアリーなインテリア、衣装、大胆不敵な半座位からは打って変わって、後半はブルーが基調の暗く冷たい映像に、ブラインドの影が縞を描く。そこからいよいよデパルマタッチが炸裂していきます。どんな映像がツボだったかを語ることもできますが、それこそネタバレになってしまうので控えておきましゃう。ひとつだけ言うと、お得意のスプリットスクリーンのシーンはほんまデパルマこれ好きやなーーーー🤣とニンマリ止まらん。ゴージャスなパフォーマンスをとらえてカメラが横移動したりズームインしたりするのが左右同時で起こるとそれはもうエクスタシー。エンディングに近づくにしたがって、ますますエスカレートしていくデパルマワールド! 特に、自身の傑作レイジングケインで展開しためくるめるドリームワールドを、再度本作で体験できる悦びと言ったらありません! しかもクロージング直前のアレの目眩を誘う既視感!!! アーーー!!! コレやっちゃってるーーーーー!!! いやー、もう、ここまでくると嬉しいです。内容マジどーでもいいけど。んー、何か今作から導き出せる深い意義や教訓などあるかなー。あえて言うなら、自分のエロ動画を撮ってはいけません。くらいかなー。あと、人の弱みにつけ込んで自利を得ようとするのはマジ浅ましいのでやめときなさい。コレです。まあしかしながら、面白くはあったけどリピートしたいほどではない。リピするなら断然レイジングケイン。久々に見たくなってきた。あ! 最後に、バレーのシーンの二人組めちゃくちゃカッコよかった!!!
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