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パッションのmagic227のネタバレレビュー・内容・結末

パッション(2012年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

防犯カメラ、鏡、ナイフ、仮面、バレエ、スプリット・スクリーン。入れ替わる陰と陽、妖しげなエロティシズム、執拗なフェティシズム、倒錯的な愛、双子、覗き、目眩、悪夢、悪夢、悪夢 ! そう、これこそファンが求めてやまなかったブライアン・デ・パルマなのです!
2002年の「ファム・ファタール」を最後に、デ・パルマ・タッチと呼ばれる独特の映像表現はスクリーンから消えました。自分のホームグラウンドであるスリラーから遠ざかり、気が付けばハリウッドでの居場所も無くなって、もうデ・パルマの新作は観られないのかと半ば諦めていたのです。ところが、御歳72歳にしてデ・パルマは見事な復活を果たしました。作品はフランスとドイツの合作、しかも「レイジング・ケイン」以来となる20年ぶりの純然たるスリラー。もちろんデ・パルマ・タッチ全開!時代を象徴するガジェットであるスマートフォンを効果的に活かしながら、ツイストに次ぐツイストで観客の五感を心地良く欺いていく手際、得意のスプリット・スクリーンから一気に加速する後半の展開は、まさしくデ・パルマならでは!そして、女たちの闘いを華麗に彩るピノ・ドナジオの甘い旋律。劇場でこんな贅沢な時間を過ごせるなんて最高に幸せです。
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