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再会の街でのabeeのレビュー・感想・評価

再会の街で(2007年製作の映画)
4.1
地味に3回くらい観てる映画でとにかく好きです。

なんかやっぱり良いですね。
この作品は。
「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」を観るまで、9.11関連作品の中では一番好きなものでした。

アダム・サンドラーの作品観たのはこれが初めてでしたね笑 敢えてこの作品を初鑑賞にチョイスするわたし、ちょっとズレてる〜〜〜笑

なんでこの作品を観たのかも全く覚えてないのですが…

歯科医師のジョンソンはある日、ニューヨークの街中でミニスクーターに乗る大学時代のルームメイト、チャーリー・ファインマンを見かける。話しかけると、昔の彼とはなんだか様子が違った。彼は航空事故により妻と3人の娘、そしてペットのプードルを1度に失っていた。

はっきりと2001年のテロであるとの描写は無いものの、言及される日付けや家族が乗った飛行機の状況から、チャーリーはこのテロに巻き込まれた被害者の遺族であることが分かる。

この重く苦しいテーマの作品に敢えてコメディ色の強い俳優を当てる。というか、ふざけすぎない程度に笑える要素を取り入れていて非常に観やすいヒューマンドラマ。

アダム・サンドラーが凄く良いんだけど、時々やっぱり役に合ってない気がするんですよ。
というのも、頭に血が上ってまくし立てるように喋るとき、異様に声が裏返るんですよね。それが凄く気になったんですけど、そこ以外はとても良かったんじゃないでしょうか?名前も良いですよね。苦悩を抱える「ファインマン」っていうのがね。名は体を表してるはずですからね。

まぁ、これを観た方々は一様に同じことを感じられているとは思いますが、邦題が完全にミスってます…

the whoの「love,reign over me」、エンディングにもpearl jamの「love,reign over me」。ストーリーの中でも大事なシーンで使われ、チャーリーの苦悩を一番良く表している曲だと思うんです。だからこそ原題は「reign over me」なのに、そこに全く違うタイトルを持ってくるとは…日本人のセンスの無さがうかがえますね…。
個人的にはpearl jamバージョンの方が苦悩に満ちた雰囲気が出ていて良かったです。

苦悩を抱えながら日々を過ごす男に自由を見出し、憧れを抱く昔の友人。そんなチャーリーとの交流を通して、家族との関わり方を見つめ直すジョンソン。なんだか、人生っていいな、人が生きるっていいな、なんて感じる作品です。捻りがないですね…

ということで、この作品は「love,reign over me」ありきです。この作品のなんとも言えない雰囲気は間違いなくこの楽曲のお陰で成り立っています。ハッピーエンドのはずなのにモヤっとした余韻が残るのです。それは「stop crying your heart out」が流れた時の「バタフライ・エフェクト」のエンディングのような。素晴らしい作品ですので是非とも観てみて下さい。

ドナルド・サザーランドがいい仕事してます。
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