夏目機関

サプライズの夏目機関のレビュー・感想・評価

サプライズ(2011年製作の映画)
3.3
悪い映画とは思わないけど、要所要所が甘い。第1幕で家族の関係、それぞれのキャラクターなどが明確に描かれていないから、各自の行動に説得力がない。
とくに妹の突然な行動と、そのあとのショックシーンは、そのシーン自体がなかなかいいだけに、妹の家族内での立ち位置を明確にして欲しかった。
伏線の張りかたと回収は無難だけれど、隣人が殺されたのと『次はお前だ!』のメッセージはあまり意味がなかった。
ヒロインが反撃に出るのと、そこで黒幕と同行するのはいいが(ダイハードが元ネタでしょうね)、そのスキルを発揮するのが早く、またそのきっかけに脚本上の大きな『弾け』がないため観ている側にカタルシスがない。
たとえばヒロインは父親との過去に確執めいたものがあるのだから、それが殻となってスキルを使えない。そんななか代理としての父として慕いはじめていた恋人の父親が殺されて、彼女の殻が破れて反撃に出る、となればエモーショナルになったかも。
あのトラップは黒幕に使うべき。あと、どうなったのかも見せないと。
反転攻勢に出たヒロインが逆にじわじわと襲撃者を追い詰めていく様をもっと見たかったなぁ。
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