朱音

サプライズの朱音のネタバレレビュー・内容・結末

サプライズ(2011年製作の映画)
2.8

このレビューはネタバレを含みます

映画の主に前半の恐怖演出のクドさ、おなじみのそろーりそろーりからの驚かせ演出、不穏な空気を表した低音の音楽が終始鳴り続けるなど安易な表現が繰り返され非常に退屈。
面白味のないフレ―ミングと、モタついたテンポで、少しも好感を抱けない登場人物たちの興味深くないやり取りを長々と見せられるのが結構苦痛で、正直ハズレを引いてしまった感が強かったが、シリアルキラーによるサイコスリラーと思いきや女ダイ・ハードだったという展開はシンプルにその意外性を楽しめた。

武器の無い状況でドライバーや包丁など、身近な道具で対抗するというのが緊張感を生んでいて良かったし、勝つためのロジックというか、主人公が危機を脱して、相手を出し抜く描写が割としっかり描かれていて、それなりにリアリティも感じられる。
そこを逆手にとったような、あのとき仕掛けた罠がいつ作動するのか、観客の読みの裏をかいてくる皮肉たっぷりのラスト・シーンはなかなか爽快感があったと思う。
ミキサーを使っての殺人シーンなどの、エグみのある暴力描写や、悪趣味全開のEDクレジットもこの作品の趣向に良く合っている。
原題は「You're Next」ダブル・ミーニングにもなっていて、こっちの方が絶対良いのに何故変えるのだろう?


キャラクターの行動には少し突飛に感じる場面も多く、展開にも強引さが見られる。冒頭の殺人にもあまり必然性は感じられない。
一軒の家が舞台の作品だが、その空間や距離感などがいまいち伝わらないのも、この映画におけるサスペンスを損なっていると感じた。
朱音

朱音