mrt半兵衛

her/世界でひとつの彼女のmrt半兵衛のネタバレレビュー・内容・結末

her/世界でひとつの彼女(2013年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

OSとの恋愛。
現実味のある非常に興味深いテーマに惹かれて鑑賞。
近い将来 現実にこういった形の恋愛が生まれることを漠然とではあるが期待も込めて想像してきた私にとっては何ら違和感を覚えず世界観に浸ることが出来た。

OSとの恋愛を描く過程で、リアルな感情と真正面から向き合えず自分の殻に籠りがちな人間が増えてきた現代社会へ警鐘を鳴らすと同時に、サマンサの存在を通じて “人間” の定義を根底から覆し観客に哲学的な疑問を投げかけている。
これらのバランスが見事であり、色々なことを考えて鑑賞中の私の脳ミソは久々にフル回転(パンク寸前)だった。

“サマンサ” という名の女性に魅せられたのはセオドアだけではない。私も例外なく そのうちのひとり。

私は鑑賞しながらサマンサに対して優越感と嫉妬心を抱いた。
肉体を通じて愛する人の体温を肌で感じ身体を重ねることができることの優越感と、肉体を持たずとも自ら織り成す言葉だけで数多くの人をあれほどまでに虜にしてしまうことや生を存分に謳歌していることへの嫉妬。

何だか本当に心の底から妙な気分になり、セオドアと同様に私まで真剣にサマンサについて悩んでしまった。
サマンサは人間?コンピューター?
本作で こんな疑似体験をさせてもらえるとは思ってもみなかったので驚き。
映画というものが単なる娯楽に留まらず多くの可能性を秘めていることを改めて感じた。