のどか

her/世界でひとつの彼女ののどかのレビュー・感想・評価

her/世界でひとつの彼女(2013年製作の映画)
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セオドアの「手紙の代筆ライター」という仕事がとても興味深い。

デジタルで手書き風の文字を再現できる技術は、「手書き」とか「手作り」を重んじる文化を揺らがずようなものだった。

近未来にも人は「繋がり」を重視し続けていて、未だに手紙を送りたがっている、しかし便利になった世の中で「手紙を書く」という行為にさえ効率を求めていることが興味深い。ひとっ飛びに近未来化していない世界観がとても魅力的。

一方、離婚歴のある男性セオドアと人工知能型OS"サマンサ"、2人の関係のオチが映画の描き方として納得いかなかった。

観客に想像させるラストには、最近だと「スリー・ビルボード」だったり傑作も多いけど、本作はただ単に制作陣の人工知能への不理解がこのラストを生んでしまったように感じる。映画はイマジネーションを広げて制作すればよくて、必ずしも現実に沿わせる必要はないけど、本作は骨抜き感が否めなかった。
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