TakuMori

her/世界でひとつの彼女のTakuMoriのレビュー・感想・評価

her/世界でひとつの彼女(2013年製作の映画)
4.6
ただ「AIに恋する話」だと思って観たら、実際はもっとすごかった。
「AIと本気で恋愛をする話」だった。

声しか出てこないヒロインの人工知能・サマンサの、実体はないんだけど確実にそこにいるかのような実在感。
姿は見えないけど、2人の愛は本物で、過ごした日々も現実で、でもAIだからこそ絶対的に分かり合えない部分もあって。


必要最低限の人物数で繊細なタッチで丁寧に描かれる恋愛は、SFだし人工知能なのにどんな恋愛映画よりもリアルに感じられた。
普通の恋愛ではないからこそ、それを目の当たりにした時に自分たちの恋愛について考えてしまうんだよなあ。
人を好きになるのに必要な要素ってなんだろうなとか。
少なくとも自分は、AIに恋してしまったセオドアの気持ちに共感はできた。

同時に、ロボットと人間という視点でもすごく面白かった。
どこまでがプログラムされているのかって考えるのも楽しいし、AIとの恋愛っていう設定を生かした嫉妬や倦怠期・セックスなどなどの展開も全て新鮮だった。
本当に自律思考できる知能が誕生した時、どんなことが起きるんだろう。
人間の理解できないところまであっという間に到達しちゃいそう。
でもきっとコントロールは人間の方にあって、AIが普及したら様々な問題が起きて強制停止されたりするんだろうな。
そういう続きの世界での色々な話も見てみたくなった。


SFの世界設定とかもよかったな。
主人公が務める、ハートフルレター社とか。OS起動の時の赤の色使いとか。理解者であり親友の女の子もAIと友達になったり。
空間に映し出されるゲームが面白そうだった〜


恋愛映画として楽しめました!
AIの友達欲しい。



以下、覚え書き
・離婚
・手紙の代筆業
・テレフォンセックスの相手が個性的
・OS1
・母親との関係は?
・胸ポケットにスマホ
・ほくろカメラ
・歌が2人の写真
・600股
・非言語で話してもいい?
・私たちのアップデート
・心は四角い箱じゃない
・永遠
TakuMori

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