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インターステラーの821のレビュー・感想・評価

インターステラー(2014年製作の映画)
4.5
IMAXレーザーで劇場初鑑賞してきましたので、再mark。劇場環境、インセプションに引き続き家での鑑賞と全く違いました…。
映画鑑賞「体験」。このワードがこれほどまでふさわしいと思った作品、ほかにないです。今のところ。これぞ、映画館で見るべき映画なんだと心の底から思いました。

インセプションと違って、全編とは言わずともかなり多くのシーンでIMAXカメラが使用されている本作。IMAXカメラで撮影されてるシーンは、スクリーンの上から下まで目一杯映像が広がって、まさにその場にいるかのように感じる。宇宙空間へ飛び出してからは劇場の音響も相まって(重低音で座席が振動する😳)、まさに宇宙船に乗っているかのような臨場感がありました。ワームホールのシーンとか…。2Dなのに4Dシートに座ってるかのような感覚…。特にミラーの星では、USJのスパイダーマンに乗ってる時のように、重力がぐるぐる動くような錯覚を抱きました。あの没入感、本当にたまらない。お高いけどまたIMAXで体験しに行きたい…。

また、人間の感情の側面としてインセプションは『罪悪感』がテーマに取り上げられていましたが、インターステラーは『愛』。このテーマも本当に好き。バッチバチの科学者達が知恵を絞って居住可能な惑星を探しに行くのに、結局は理解不能な『愛』に引き寄せられてしまうシーン。今ははっきりと理解できないだけで、何か意味があるのかもしれない。愛は非科学的なものだと思っていたけど、実はまだ私たちの科学力では計測できないだけなのかもしれない。この発想がとてもとても好きで、見るたびに泣けるし、アン・ハサウェイのセリフは今まで見た映画史上ベスト級に好きです。
(“Love is the one thing we're capable of perceiving, that transcends dimensions of time and space.)
ところでインターステラーでは『愛』のほかに『生存本能』の話も言及されていましたが…今度は『生存本能』がダンケルクのテーマにも関わってくることに気づき、作品間での横の繋がりにちょっと感動しました。

しかしながら。インターステラーではインセプション以上に「ノーラン先生、ストーリーテリング苦手でいらっしゃるやろか」と感じてしまう事もありました…。
インセプションでも複雑な世界観と設定を冒頭で一生懸命説明してるんやけど、インターステラーもそれが顕著。しかも、インセプションよりさらにマイケル・ケインに喋らせまくって世界線の説明を済ませようとするし、ワームホールや、ラザロ計画の具体的な話は宇宙空間に飛び出しちゃってからクーパーに共有される。
まあ、それでもいいんやけど。さすがにワームホールの構造を宇宙に出てから説明してるのは無理がありすぎるし (しかも紙を折り曲げて鉛筆でぶっ刺すという、小学生にするかのような説明の仕方) そんな事も知らんと宇宙に出て、クーパー大丈夫か!?っていうハラハラ感と違和感で本筋に集中できなくなるんですよね…。
ミラーの星/エドマンズの星/ミラーの星で行き先を選ぶ時も行き当たりばったりで、シミュレーションはホワイトボード…?みたいな。観客にはわかりやすいんですけどね。観客への説明を重視するあまりにか、ストーリーの中ではちょっとトーンが合わず浮いてる気がするんですよね。まあでもノーラン先生CGなるだけ使わない主義やし、MCUみたいなハイテクガジェット出てきてCGでシミュレーションとか始まってもそれはそれでトーンが全く合わなくなるので。気にせず割り切るしかないかな。
『2001年宇宙の旅』感あるもんね〜。近未来設定なのにコックピットにアナログ
感がっつり残ってたり、TARS/CASE/KIPPとかね。この雰囲気はめっちゃ好き。

兎にも角にも、映像とサウンドが圧巻なので映画館で観て本当に良かったです。映画館で見ると作品のことがより大好きになるな。テネット楽しみです。
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