カツマ

インターステラーのカツマのレビュー・感想・評価

インターステラー(2014年製作の映画)
4.5
全てが消え、残ったものは愛だった。その宇宙の片隅を覆い尽くすは無限の暗闇、果てしない孤独。人類の想像を超え、あらゆる物が研磨され、もう何もかもが時間の渦に飲み込まれそうになったその時、見えてきたのは愛する人の姿だった。愛こそが人類に限界を越えさせる。宇宙のようなそのブラックホールの中にこそ、希望という名の光り輝く波があった。

SF映画はついに宇宙を越えていった。それはもはや2001年宇宙の旅ならぬ、20××年時空の旅。クリストファー・ノーランはキューブリックが描いた宇宙旅行を推進力とし、全く新しい異次元のSF映画を完成させてみせた。だが、その本流が流れていたのは漆黒の宇宙でも、その先にある何か、でもない。描いたのは人間同士の愛そのもの。壮大な物語の真ん中で親子の愛情が全ての概念を越えていく。

〜あらすじ〜

そこは破滅へと向かう地球。砂嵐が押し寄せ、食物は育たなくなり、人類は滅亡へのカウントダウンを黙して待っているしかない、そんな未来。
農場を営む元宇宙飛行士のクーパーは、息子のトム、娘のマーフィーらと慎ましくも日々を明るく過ごしていた。特にマーフィーは父親に似て好奇心旺盛で、クーパーとは大の仲良しだ。
近頃マーフィーは自室の本棚から本が落ちる現象を何かと訝っていたが、ついにその法則に二進法のメッセージが込められていることに思い当たる。
クーパーとマーフィーがそのヒントの指し示す場所に行ってみると、そこにあったのはかつてクーパーが所属したNASAによる秘密基地だった。
そこでかつて親交を温めたブランド教授と再会したクーパーは、宇宙飛行士としてNASAが進める宇宙計画に参加することを心に決める。
その計画とは地球を脱出し、人類が移住できる新たな星を探すというミッションだった。別れを惜しむマーフィーの泣き声を背に、クーパーは宇宙船で空へと飛んだ・・!

〜見どころと感想〜

壮大な物語だ。滅びゆく地球、彷徨える宇宙、そしてラストのパートまで、序盤の砂埃が支配する画面から想像も出来ないほどカオスな展開を見せながらも、それらを一本の線として完璧に繋ぐことに成功している。脚本の素晴らしさはもちろん、時間の経過によって次々登場する豪華キャストが我々の目と耳を休ませてくれない。タイムパラドックス映画でありながら、理論的な説明も同時に為しているという意味で、SF映画でありながらその骨組みを説明的に描写してみせたのは完全に新しかったと思う。

マシュー・マコノヒー、アン・ハサウェイに加え、ジェシカ・チャスティン、ケイシー・アフレックとオールスターキャストが集結。子役ではブレイク前夜のティモシー・シャラメとマッケンジー・フォイまで出演し、この作品の隙のなさがキャスト面にまで及んでいることが分かる。
そして、やはりマット・デイモン演じるマン博士の存在感は2度目の鑑賞でも強烈。彼の名前はヒュー・マン。つまりは人間のこと。彼こそが人間そのものであり、また最も人間らしい存在だったのではないかと思った。

監修には理論物理学者のキップ・ソーンが招かれ、ノーランの完璧主義ここに極まれりな作品となった。先日発表さればかりのブラックホールの形状までほぼピタリと再現しているのだから、もはやこの映画はScience Fictionを越えた未来の映画だと呼べるのではないだろうか。

〜あとがき〜

ついに2度目の鑑賞となった今作ですが、劇場で見た時は発熱状態でコンディションは最悪、しかも映画は長尺、しかも難解。ということでひたすらに苦行でした。が、ついに四年半ぶりのリベンジとなる今回は最高に楽しめましたね。1回目よりも内容もだいぶ掘り下げて理解できたので、モヤモヤもほぼ払拭された気がします。

子役のティモシーシャラメ、マッケンジーフォイは今や映画の主演までこなしているくらいなので、ノーランはもはや映画の未来をも創出する時の魔術師なのかもしれない、なんてまるで未来から来た人みたいですね(笑)