Maki

インターステラーのMakiのネタバレレビュー・内容・結末

インターステラー(2014年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

原題:Interstellar
公開:2014年
鑑賞:U-NEXT(字幕・吹替)
鑑賞:Blu-Ray(字幕・吹替)
鑑賞:劇場IMAX2D(字幕)
鑑賞:劇場IMAXレーザー/GT(字幕)
鑑賞:Netflix(字幕・吹替)


TARS「どうやって?」
クーパー「愛だよ愛」
 
もう大好きで大好きで大好きすぎる。
この人生における最上級の映画体験。
 
2014年初公開。気づくと上映終了に落胆。
待ちに待った配信で身も心を打ち抜かれ。
部屋で観返していつも満足はするものの
劇場で観逃した後悔も増えるもどかしさ。

2018年IMAX総選挙。やっとやっと報われ。
美麗な大画面と鮮烈な轟音に飲み込まれ。
絵空事だよ絵空事。でも絶品の絵空事だ。

2020年国内最大画面ノーラン祭り真打ち。
視界を覆いつくす惑星とガルガンチュア。
気圏突破や重力旋回の轟音を全身に浴び。
ド迫力にもほどがあるでしょってド迫力。
もうなにもこれを超えなくていいぐらい。


🛑 ここからネタバレ 🛑


● 宣伝コピー「必ず、帰ってくる。」
現実に易々叶うものではないとよくわかる。
痛いほど知っている。嫌なほど知っている。
だからこそ物語の父には帰ってきて欲しい。
絵空事でもいい。そう願わずにいられない。
 
● 展開
・ウラシマ効果の非情に『トップをねらえ!』を想う。重ねて藤子・F・不二雄を想う。過去の自分に怒鳴る男を。二百億光年先に挑む男を。
・本棚の裏側の幽霊。十年孤独のドローン降下。コンバインの奇妙な集結。何が橋渡し役だ。重力が遮る砂塵。バイナリでNASA座標。モールス信号「S T A Y」。娘に託した腕時計。それら序盤の事象・台詞が終盤に続続と伏線回収される。その手際の鮮やかさ
・人類救出ラザロ計画。土星の肩付近ワームホール。相対性理論とウラシマ効果。ガルガンチュア=カーブラックホール。事象の地平線で重力ターン。運動第三法則とペンローズ過程。エルゴ球と特異点リング。量子と重力。四次元立方体と五次元の親切な彼ら。ガチガチSFが怒涛の廻り捲り昇る下る昇る下る。火の火炎の桃源郷または聖なる輪のモータードライブ。ついに身を焼かれる覚悟のクーパーがリングをくぐり抜けるとまさかの懐かしの我が家!幼きマーフの部屋!あの本棚の裏側!狂ってる!ノーラン兄弟の気狂いに喝采。変な声で叫びそう。何度観ても発熱どころか沸騰する。
 
● 台詞
・ディラン・トマスの詩「穏やかな夜に身を任せるな。老いても怒りを燃やせ 終わりゆく日に。怒れ 怒れ 消えゆく光に。」
・クーパー「親というのは子どもの未来を見守る幽霊なんだ」
・マーフ「知っていたのね?私たちを見捨てたのね」
・アメリア「そして愛は時間も空間も超えることができる」
・TARS「過去を変えるために 呼ばれたのではない」
・クーパー「呼んだのは彼らじゃない…俺たちだ」
・老マーフ「私の父は農夫でした」。
ヨハネによる福音書15章:キリストの言葉「私はまことのぶどうの木 私の父は農夫である」に重ねているのか。キリストが父と呼ぶのは誰か。「ヘウレカ!」と叫んで人類の救世主となったマーフが父をどれほど信じ想い続けていたかを重ねると意味深く感じます。
 
● 役者
・娘マーフ(マッケンジー・フォイ / ジェシカ・チャステイン / エレン・バースティンで演じ分け)が愛らしい
・アメリア博士(アン・ハサウェイ)。冷静な彼女が感情剥き出しで泣き嘆くのもぐっときた。最後の顔が…ああ
・天才マン博士(マット・デイモンは惑星ひとりぼっち似合いすぎ)も迷惑千万野郎だけど切ないひとだよ
・息子トム(ケイシー・アフレックは心を閉ざした顔が似合いすぎ)も頑固面倒野郎だけど切ないひとだよ
・最高の主役クーパー(マシュー・マコノヒー)!彼ったら渋いのに哀しいと顔くしゃくしゃに泣くのよね。助手席の毛布をめくってマーフが居ないと悟る顔。本棚の裏で悶え喚く姿。「ダメだ!俺を行かせないでくれっ!」涙が止まらないよもう(≧△≦)
・マシューは昔『インターステラー』に影響を与えたと噂される『コンタクト』にも準主役で出演。宇宙の深遠へ片道切符で挑む科学者ジョディ・フォスターを理性と愛情で引き止めようとした。今度は自分が愛する娘を残して宇宙の深遠へ片道切符で挑む飛行士。面白いつながり。
 
● 未来の世界のハコ型ロボット
・探検を補佐する「TARS」と「CASE」。彼らがまたいじらしい
・皮肉屋「TARS」。ジョーク好きだけど使命に燃える。ブラックホールに突入して量子データを取得する大活躍。ちゃっかり帰還してるし
・真面目「CASE」。多くの方が「TARS」ばかり書いているけど水の惑星でアメリアを救ったりクーパーを師匠と呼んでいたのは「CASE」。壊された「KIPP」を修理したがるイイ奴なの
・破損した宇宙船エンデュランスとの再ドッキング。クーパーと「TARS」と「CASE」が細かな連携で成功するシーンが熱い
 
● 音楽
・暗黒と光明。無音と轟音。おなかに響くハンス・ジマー先生がまたもや最強
 
● 疑問点(でもいいの。愛で赦す!)
・水の惑星。一時間地球七年の超重力を小型機だけで気圏突破できるの?
・水の惑星や氷の惑星はブラックホールに近いなら論外じゃないの?
・地球からのビデオメッセージ。あのワームホールも通過して届いてるの?
・マーフやること過激。時間稼ぎのため大事な畑を全焼させられた兄トムの立場って。そして帰還後にその息子のこと気にかけてない父
・ブラックホール量子データ。TARSからクーパー経由でマーフにモールス信号で送るってどれぐらいかかるのか。時々マーフは目を離してて大丈夫か
・クーパーがアメリアの待つ星に旅立つ〆は最高。でもでもそれまでに誰か助けに行ってあげてくださいまし

● 有名な解説図
https://www.behance.net/gallery/21179181/Interstellar-Timeline
 
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