M太郎

インターステラーのM太郎のレビュー・感想・評価

インターステラー(2014年製作の映画)
4.0
奇妙な超映像に時間差ネタと加速していく編集テンポを乗っけて作品世界を形作るノーランワールド第2章(第1章は『インセプション』ということで…)。交互に鳴っていた音が最後に重なり和音になるような脚本はとても気持ちが良かったです。ただ全部に一応の決着を付けようとして、少しエピローグがダラダラしてしまっていると感じました。もうちょっと切れ味良く終わらせて良かったかなぁ。個人的には、記念館が映した後インタビュービデオにズームして終わり、とかだと良かったと思うのですが。
『インセプション』で非常に印象的だった「めくれ上がる世界」といった映像表現を今回は多用。それが作品世界、テーマにぴったり合致しているのでは無いでしょうか。砂嵐、大津波、凍った雲は迫り来る壁、不可知の世界の現れなのかな?と。そこから因果地平を超えて、壁の向こう側を目撃したのが主人公という事ですよね。そして最後は円筒コロニーの内壁を映すことで「人類は着実に次元の向こう側に近づいている」と表現しているのでは無いでしょうか。
奇妙な映像で視聴者を未知の世界に突き落とすノーラン節が存分に楽しめる一作。特にブラックホールのくだりはまさしく未体験ゾーン。『インセプション』と合わせて見るとなんだかノーランの作家性が少し見えてきそうです。
ハンス・ジマーの音楽も今回はどハマりだったなぁ。
M太郎

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