EDDIE

インターステラーのEDDIEのレビュー・感想・評価

インターステラー(2014年製作の映画)
4.9
人類の危機を救う壮絶なミッション、娘との別離と愛、命をかけた宇宙飛行士たちの行動と選択が身を結んだ時とてつもない高揚と感動を味わえるノーラン監督の傑作。

「インターステラー=別の銀河系への有人惑星間航行」
2014年公開当時、劇場で鑑賞した本作。ラストの展開に感動した覚えがありながらも、難解な言葉や用語が飛び交い理解したとは言い難いところもあり、いずれ再鑑賞しようと考えていました。もう5年も経ってしまいましたが、Netflixにて再鑑賞となりました。
やはり素晴らしい作品だなと改めて再認識。169分もの長尺で、これほどまでに夢中になり、さらにまた観たいと思わせられる作品はなかなかありません。

マーフィーの法則や三次元に於ける不可逆性の時間と重力場、ニュートン力学、運動の第3法則などなど、まぁ私からしたらちんぷんかんぷんな用語の数々なんですが、それでも面白いと思わせる演出や脚本に唸るばかり。
そして作品を彩るハンス・ジマーの音楽。彼の音楽の素晴らしさが、時間が長くても退屈させない一つの要因なのではないかと思うのです。作品の出来に音楽が重要であることを感じさせられた次第です。

また作品の出来の良さを高める豪華俳優陣の演技は触れないわけにはいきません。
「ダラス・バイヤーズクラブ」でアカデミー主演男優賞の俳優マシュー・マコノヒーが主演ジョセフ・クーパーを演じ、人類の未来か大切な娘ら家族との再会かという究極の選択を迫られる中の迫真の演技には魅せられっぱなし。
本作のキーパーソン娘のマーフをマッケンジー・フォイ、ジェシカ・チャスティン、エレン・バースティンが世代を変えながら演じます。
マッケンジーは当時13〜14歳ぐらいだと思いますが、もはや大人の女性と言われても差し支えないぐらい顔が完成されすぎてずっと観ていたいほど。
チャスティンはマッケンジーがそのまま成長したと言われても違和感ない美貌。2人とも父を想い、嫌い、そして信じる、様々な感情を上手く演じていました。
息子のトムをティモシー・シャラメ、ケイシー・アフレックが演じますが、シャラメ出番少なくて寂しい。ケイシーはまさかシャラメが成長してその顔になるとは到底思えないのですが、アフレック兄弟はケイシー派の私としてはそんなこと無問題です。

クーパーと共に宇宙を目指すクルーの1人アメリア・ブランドをアン・ハサウェイ。ハサウェイとマッケンジーという美女共演は今思うと最高の眼福キャスティングですよね。彼女の父親ブランド博士を、ノーラン作品常連のマイケル・ケインが演じます。
さらに氷の惑星で救出されるヒュー・マン博士をマット・デイモン。「オデッセイ」は本作より後の作品ですが、今観ると「オデッセイ」を思い起こせられずにはいられません。また彼の役がかなり憎らしい。生と死の狭間で、彼も人類の未来のための行動ではあるものの、そのための犠牲としてクーパーを崖から突き落とすシーンはハラハラさせられます。その後の結末も無念。

何よりも本作で心に残るのが、4次元超立方体テサラクトに突入したクーパーとマーフの邂逅。我々の理解を超えたやり取りに夢中にならざるを得ません。あの本棚のシーンは心に深く残り感動する一場面。
我々は映画として観ているので、クーパーらクルーたちが人類の未来のために自分の命を懸けてまでラザロ計画に身を投じているのを知っています。マーフはいつ父が地球に戻ってこれるのかわからないから宇宙行きを大反対し、さらに地球を捨てたと大人になっても思っています。
そんな最大級のすれ違いを交錯させるという脚本には唸らずにはいられません。
そこからの感動のラスト。私にとっての映画鑑賞人生でこれほどまでに心に深く突き刺さる作品はありません。今後も大事にしたい作品の一つです。

最後に本作で特に好きだった演出が、クーパーがマーフに「必ず戻ってくる」と言い残し、和解できないまま車に乗り込み、宇宙船エンデュランス発射のカウントダウンが始まり、0になった瞬間に車を走らせる場面からエンデュランス発射の場面にスムーズに切り替わるところ。ここはニヤケてしまいましたねぇ。言葉を選ばずにお伝えするならば、「やべー」です。

語りたいことは山ほどある、それほど好きな作品ですが、それはまた3回目、4回目と観るそのときにでも。
ノーラン作品で特別に好きな作品です。まだ観たこともない方には是非とも観てほしい素晴らしい作品です。

★2020年9月16日IMAXレーザーにて鑑賞@109シネマズエキスポシティ

劇場では2度目の鑑賞だけどIMAXでは初鑑賞。Blu-rayも買うぐらい好きな作品だけど、IMAXレーザーの大画面と音響で堪能する「インターステラー」は絶品。ハンス・ジマーの音楽がやっぱりいい!あとキャスティングがパーフェクト!余すことなく全部好き!

※2020年劇場鑑賞
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