あしからず

サタンタンゴのあしからずのネタバレレビュー・内容・結末

サタンタンゴ(1994年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

直前になってなんで自分はこんな地獄のように長い作品を観に来ちゃったんだろう帰りたいと激しい後悔に襲われたものの観始めると意外と大丈夫なもんだなあ。

土地が腐っているのか人間が腐っているのか卵が先か鶏が先かは分からないけれど、極度な長回しでタンゴのステップのように時計の針も進んだり戻ったりしながらこれを見ろと言わんばかりに空虚または猥雑な人間のアップを見せられるのはなかなか精神にくる。
少女と言う名の希望がしんだ時からこの土地に未来はないし、その希望も腐った土地と醜悪な大人たちの余波を受け、溜まった鬱憤は小動物に向けられる。覚悟はしてたし獣医師の監修のもと行われ撮影後はタル・ベーラの飼い猫になったと聞いていてもやっぱあのシーンはキツい。
自分が今わりと過疎化しつつある地に暮らしているので都会へ新天地を求めて偽の救世主について行く人達は他人事ではなく現実と切り離せないのと、映像の美しさに金と人間のヘドロみたいな描写が上書きされて見えてう〜ん…ここの高評価ほどハマらず…
尋常じゃない強風を運んでいく描写と「未来に背を向けろ!」というセリフは示唆的でとても好きだった。

アホなので、警察に村人を売ったのは何の目的なのか(警察は村人たちをどうしたいのか)と、今はない塔で男性がトルコ人が責めて来たと鐘を鳴らしていたのはなんだったのかが分からない。どなたか知ってる方いたら教えてください…
あしからず

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