じぇれ

サタンタンゴのじぇれのレビュー・感想・評価

サタンタンゴ(1994年製作の映画)
4.0
【長尺でしか体験できない神視点】

冒頭、牛とともにゆっくりとパンするカメラ。
その後は建物をただただ眺めさせらます。
そして、気づけば舞台となる村を没入しながら傍観していました。
約10分の長回しですが、体感時間は5分ぐらい。
この掴みで私は悟りました。
「ひたすら没入すればいい。ただし、感情移入などせずにひたすら傍観すべき」と。

その後綴られる愚かな人間たちをただただ傍観していると、さながら神の気分になってきます。
しかし、残念ながら何も介入できません。
サタンに踊らされる人々をひたすら傍観するだけです。

ああ、神の不在を描いた作品でもあるんだなぁ、これ!

本作を観る際には、積極的に没入してください。
序盤にノレなければ最後までノレない可能性が高いです。
だからこそ、自らハマりにいきましょう。
うまくいけば、他では味わえない無力感に浸れますよ!

ちなみに、私の体感時間は4時間ぐらいでした。
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