しばらく前に映画館で観ました。
映画という方法を使ってはいるものの、映画という枠から溢れでるほどというか、これはART。
映画館でこの7時間18分を見れて本当に良かった、、
実を言うと2回ほど、少し寝ましたが。
本当に利益を考えないで妥協しないクリエイションをしてる人なんて滅多に居ません。そして、『ニーチェの馬』が出来上がった、時に もう映画は撮らないと決めることも容易いのでしょう。
ストーリーの進み方がとても面白いです。
多角的に捉える事が出来ると同時に、進まない、行き詰まりを感じます。
タンゴのステップ通り、6歩進んで6歩戻るのです。
サタン(悪魔)のタンゴ、、
呪いのように、終わらないのです。
7時間18分ですもん。
終わり方がまた、ズルい、、、
ぞわぞわ来る終わり方に鳥肌が立ちました。
長い長い7時間18分の終わりが来たな、、と実感しながら、終わることのないタンゴが沁みてきます。
衝撃的だったことはいくつもあるのですが、今まで見た、『ニーチェの馬』『倫敦から来た男』どちら共に出ていた印象的な少女役である、ポークエリカの幼い姿。
そして、あれ程の表現を見せられるとは、、。
少女の気持ちがよく分かります。
自分の幼い時に兄と、お小遣いを貯める場所を決めて、結局 兄に今まで貯めたお金を一瞬で奪われてしまったという思い出が蘇ります。
そして、子供の虫や動物に対して思う、可愛がりたいと言う気持ちと、虐めて遊びたいという気持ち、自分よりも弱いものの扱い方、とてもリアルな感情で、真っ直ぐ伝わってきます。
その他の役者も、やっぱり凄い、、
医者は特に良い。
くたびれた貧しい村の美女とは とても醜いもので、それなのに終わる頃には 男達が群がる魅力に気づきます。
始まって最初のカットで射ぬかれて、終わりで射ぬかれる。
終わりそうで終わらない、サタンタンゴ、、
はぁ、また観たい。