コーエン兄弟の音楽ドラマ。
1960年代、冬のニューヨーク。才能はあるが売れないフォークシンガーの1週間。
"If it was never new, and it never gets old, then it's a folk song."
とても好みの作品。ずっと浸っていたい世界観だった。曇りがかった温かみのある映像と心に響くフォークソング。コーエン兄弟の作品らしくほんのり西部劇の香りがする。
ストーリーとしては、"名もなき男"ルーウィン・デイビスが自分のアイデンティティを模索する話。気が滅入ってしまいそうなほど上手くいかないことの連続だが、愛を持って接してくれる周囲の人々のおかげで、憂鬱な生活の中にも常に温かい光がある。世の中捨てたもんじゃないと思えてきて、心救われる気がした。ネコ🐈が重要な役割を担っていて興味深い。
コーエン兄弟らしいユーモアも笑える。
アダム・ドライバーの歌がツボだった。個人的には、『ビッグ・リボウスキ』のようなコメディに振り切った作品より、本作や『バスターのバラード』ぐらいの方が心地良い。
オスカー・アイザックをはじめ、ビンテージ感のある服装が好きだった。
"George Washington Bridge? You throw yourself off the Brooklyn Bridge, traditionally. George Washington Bridge? Who does that?"
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