Aika

子宮に沈めるのAikaのレビュー・感想・評価

子宮に沈める(2013年製作の映画)
2.9
大阪二児放置死事件を題材にした作品。

冒頭映されるのは二人の幼い子供と優しい母。
しかし夫婦仲は決して良好ではない。

夫婦はある日激しい口論となり、旦那は家を飛び出して行く。
女として旦那を追いたくても、子供が母としての自分を泣きながら求めている。
彼女はシングルマザーとして三人で生きて行くことを決意する。

音は生活音のみで、まるで部屋の片隅に置かれたビデオカメラの映像を観ているよう。

母親の存在は確認できても、顔は意図的にカメラに映らない。
それは特殊な状況で起こった特殊な人間が起こした事件ではないという監督の声なのか。

泣き叫ぶ子供を抱え、学もお金もなく頼る人もいないシングルマザーに確かに同情の余地はあった。

しかしそれならば、子供二人の地獄のような生活を淡々と長時間映し出すのではなく、もう少し母の心情をきちんと描いて欲しかった。
実際の事件を題材にしているからこそ、その背景を入れ込むのは難しいのはわかるけど、これじゃただの悪趣味な作品とさほど変わらない。

決して風化させてはいけない事件だからこそ、こうして映画として思い返す材料があるのはいいことだけど、あまりお勧めはできません…

227/2017
Aika

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