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子宮に沈めるの社会学者のレビュー・感想・評価

子宮に沈める(2013年製作の映画)
3.0
2010年に起きた大阪二児置き去り死事件をもとに作成した映画です。
最初夫婦共に暮らしていた頃は、手作りの愛情溢れる料理を子供達に食べさせていたが、離婚を機に徐々に生活は荒れていく。
服装は派手になり、新たな男をつくりタバコを吸い、終には入口に目貼りをして家に帰ってこなくなってしまう。
おそらく実際に起きた事件も、マンションの中はこの映画と同じだったのだろう。途中女の子がマヨネーズを飲むシーンがあったが、何とも言えない悲しい表情に涙が出そうになった。
スコア評価は厳しめにした。なぜならばこの映画を観る前、当事件のルポである「ルポ・虐待 大阪二児置き去り死事件」(著者:杉山春)を読んだが、実際に起きた事件の内容と異なった描き方だったからだ。(目貼り後帰ってくるところまでは同じだが、最後は明らかに異なる)
自分の要望としては、事件の通り描いて欲しかったです。
補足:この事件はシングルマザーの起こした事件ですが、シングルファザーの起こした事件として、厚木市幼児餓死白骨化事件があります。
自分の子供を亡くなった後、アパートに7年以上も遺棄した事件として父親が逮捕されています(ただし、こちらの事件は二審で殺意は否認された。詳しくは「鬼畜の家」 わが子を殺す親たち(著者:石井光太)参照)。
離婚をし生活が大変だからといって子供を虐待する理由にはなりません。しかし現実にネグレクトを含む虐待があるならば、何らかの政策的なケアが必要であることは言うまでもありません。
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