パエリア太郎

子宮に沈めるのパエリア太郎のレビュー・感想・評価

子宮に沈める(2013年製作の映画)
4.0
徹底した子供目線で部屋が汚れてく様子や母親の服装が派手になっていく姿の臨場感。

お姉ちゃんが母親の真似をして化粧したり、セックスの真似事をしたり
弟をあやすために抱き抱えようとしてみたり、ミルクを作ってあげたり
缶詰をあけようと頑張ったり
正直、起きていることの悲惨さとハラハラとは裏腹に、逞しさや成長に感動もおぼえてしまいました。

正直、お母さんが酷い!カス!網の上で焼かれろ!なんて気持ちには全然なれなくて
子供は親がいないと生きられないのと、同時に一人の母親だって支えや、誰かの愛情、女性として認めてもらう喜びがなくては例え愛していたって大変な子育てを乗り切れないんだなって気持ちにもなりました。
(勿論、そうじゃない強くて立派な人達は沢山いらっしゃるでしょうけど)

客観的な目線が映画に少しでもあれば、なんでもっと違う手段で誰かに助けを求めなかったんだろう、バカ!ハゲ!とか思うのですが、排除されてるので、本当に母親を子供を見てるしかない。

そして、何が怖いかって自分だってこういう悲劇を生む側に回る可能性を否定出来ない。
後半は相当辛くて特にゴミ袋をあさってるあたりからは、受け入れられない嫌悪感を何故か自分に向けてしまいました。

あとこういう状況でもウジって湧いたりハエが出てきたりするのかなって間取りを知らないけど思いました。
パエリア太郎

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