天津甘栗

子宮に沈めるの天津甘栗のレビュー・感想・評価

子宮に沈める(2013年製作の映画)
3.8
物語の基は、大阪の堀江で起こった事件です。
現場は当時自分が住んでたマンションから100m程先の立地。内見したこともあるマンションでした。しかも固く粘着テープで閉ざされていたというドアは、自室のドアと全く同じ造りで、ニュースを見てゾッと戦慄したのを覚えています。

劇中のママ像は少し実際とはニュアンスが異なります。
アメ村風俗嬢のシングルマザー。金銭的困窮もあり、元夫や実父、託児所や行政へも助けを求めたけど救いの手は差し伸べられなかったそうです。

音楽は一切なく(エンドロールにすら無い)、大人の表情をあえて見せない演出。
その行き場のない感情は鑑賞者へ委ねられます。そしてそれは誰しも起こり得ないとは限らないと暗示しているよう。
ママー、ママーと呼ぶ声。ズキズキと心を刺す。最期まで大好きだったママ。あまりに悲惨。苦しい。

こういう話を知るといつも思うのは、育てる親が酷いって言うのは簡単。僕には何が出来るのだろうかということ。
今よりもほんの少しだけでも、周りの人へ声を掛けてみようということ。
天津甘栗

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