10000lyfh

グランド・ブダペスト・ホテルの10000lyfhのレビュー・感想・評価

3.5
1932年、ヨーロッパの一流ホテルのコンシェルジュとベルボーイの、世代と立場を超えた友情が背景のクライムコメディドラマ。ベルボーイの生真面目さ/勤勉さ/仕事への誇り/ボスへの忠誠心と敬意/恋愛と結婚/降りかかる自分の手ではコントロールできない災厄など、多くの人が自らを重ねて観るだろう、そんな映画。ロマンス/死別/脱獄/雪山そりチェイス/銃撃戦などがギュッと詰まった激動の年を、独特の作風(シンメトリックな構図/カラフルな色使い/絵本のような幻想演出で、まるでアニメ映画のような実写映画)で描写し、早口でまくし立てる人物達と共にアップテンポで疾走する。作風の好みは分かれそうで、自分は「普通」だった。そして、以上のコアストーリーを、1968年から回顧した遠い昔の思い出話として突き放しちゃうのは、映画としては無駄に切ない気がした(ベルボーイのその後の三十数年間は丸ごとエピローグ?的な)。四重マトリョーシカ構造が、幻想演出を華麗に正当化(三次情報でしかも昔の記憶っていうね
10000lyfh

10000lyfh