装飾の美しい絵本を眺めているような、不思議な映像美の作品だった。
どことなく不思議な世界でもあり、ティム・バートン作品風でもある。
どのシーンを切り取っても、額縁に入れて飾れるような色彩、配置バランス、というか。
画角とか、人物の映し方とか、随所にこだわりがみられる。
もっとアート感覚優れている方であれば、いろんなウンチク語りながら、細部へのこだわりをもっともっと楽しめるんだろうな。
ただそれだけでは飽きちゃうのだが、ストーリーもちゃんと面白かった。
物語は、グランド・ブダペスト・ホテルのオーナーである、ゼロさんが昔を語り、人生を振り返る形で進む。
それは、彼を育てたホテルの名コンシェルジュである、グスタヴの生き様だった。
グスタヴのように、どんなときでも紳士であれ、を貫いてるようなキャラは、個人的に大好きでもある笑
遺産相続に巻き込まれることで、ゼロとグスタヴの逃走劇が始まる。
二人を追いかける殺し屋には、ウィレム・デフォーさん。
スパイダーマンのゴブリンにしか見えなくて困った笑
喜怒哀楽を揺さぶられるようなシーンはほぼ無い【雰囲気映画】かもしれないが、良質の短編小説を読み終わったような、充実した読後感が味わえる。