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グランド・ブダペスト・ホテルのBeSiのレビュー・感想・評価

5.0
AWA展行きたかったぁ...🥲最新作「アステロイド・シティ」に向けてウェス・アンダーソンの世界観をちびちびレビューしていきますよ!!✊結構久々かもしれない。まずは彼の代表作から。ほんとに好きで何回も観てます。

ヨーロッパ随一の超高級ホテル、グランド・ブダペスト・ホテル。完璧なおもてなしが評判の伝説のコンシェルジュ、グスタヴ・Hは、富豪の常連客が殺された事件であらぬ疑いをかけられる。そして彼は、ベルボーイ見習いの少年ゼロと共にホテルで起きた殺人事件の解明に奔走する。



✔左右対称
そういえば、数年前までの僕のレビューの書き方と変わって、最近は "✔ごとに紹介する形"に変わってますね。ここは、言うまでもないウェス・アンダーソンの世界観について。

もはや芸術。絵画です。必ず左右対称の構図を作るための軸が描かれているのが凄い。左右対称という構図が映画自体にコメディチックな雰囲気を与えています。豪華絢爛で壮大なセットから、小ぶりなスケールの世界が可愛らしいミニチュアのセットまで、全てが左右対称。こんな映画作りの発想って1990年代に入るまで無かったんじゃ?

✔色合いと小物
全部が最高に可愛い。こんなファッションセンスがあれば良いなと思うほど。冗談抜きで刑務所の色合いも可愛い。どんな場面でもリラックスできちゃう。特に好きなのは、ホテルの色々な内装、メンデルの厨房。あのパステルカラーがもう......。看板、箱、リボン、ケーキ、服、靴、本、ホントに全部が可愛い。ずっと観ていられます。

✔淡白なユーモア
流れるような各キャラのボケ、シュールな展開も見所のひとつ。ここでも凝った工夫がされてます。刑務所に投獄されたグスタヴがメンデルのケーキを切る時に "喉切りナイフ" をくれと要求するシーンが突飛すぎて好きだな。その後に他の囚人たちが皆こぞってメンデルを貪るのも可愛くて好き。ポップでミニマムな可愛らしい世界観で繰り広げられる静かで落ち着いたコメディほど心地良いものは無い。

✔グスタヴ・H
行き届いた奉仕、洗練された接客技術が多くの顧客から評価される、まさに完璧な人間のグスタヴ。彼の発する言葉ひとつひとつに、コンシェルジュとしての凄さや貫禄が伺えるのは勿論のこと。しかし、僕が最も心打たれたのは彼の優しさです。ゼロをはじめとする社員たちやホテルを訪れる顧客、刑務所内の囚人たちに対し、彼らと同じ立場に立って話したり助言をしたりする姿が本当に素敵。おもてなしをする人間としての心得を常に意識しているのが分かります。ゼロに謝るシーンは何度見ても泣いてしまう。彼らの友情の固さが見える名場面でした。ジョプリングとのスキーチェイスで、相手を侮辱する時でさえも丁寧な言葉遣いを忘れないなんて凄いと思ってたら、ゼロがジョプリングを突き落とした後に "Holy shit! You've got him!" って口汚くなった場面はめちゃくちゃ好き。レイフはコンシェルジュが最高に似合ってたなぁ。

✔超豪華キャスト
別に言わなくても良いかも。ニヤケが止まらない豪華絢爛な名優がたくさん出演してます。アガサ役のシアーシャとクロチルド役のレア超可愛い!!!





ウェス・アンダーソンの代表作にして彼の名を世界に知らしめることとなった一本。文句なしに面白い。大好き。
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