Screen7

グランド・ブダペスト・ホテルのScreen7のレビュー・感想・評価

3.9
最高にお洒落でちょっとおかしなミステリー!『少年と林檎』の絵画が重要なアイテムだったけど、この映画のワンシーンが絵画並みに美しかった。可愛いらしい雰囲気なのに少し毒っ気あるのもウェス監督らしいです。
結構な人数死んじゃってるのにポップに軽快にストーリーが進むから、申し訳ないけど重い気持ちにならない。不思議…

この物語は、ある女性が読んでいる『グランド・ブダペスト・ホテル』という一冊の本の中のストーリーということなので、余計に"かつて"格式高いホテルとして有名だった という過去の栄光のようなものが強調されている気がします。

ホテルの名誉を守るために超一生懸命なコンシェルジュのグスタヴ。彼が『林檎と少年』の少年に似ているだろ?とゼロに言うシーン可愛くて好きなんですが、そんなお茶目な彼なかなか凄い人ですよね。
ホテルのリピーターを増やすためにどう考えてもコンシェルジュがする仕事じゃないことまでするし、ゼロが捕まりそうになっても警備員がグスタヴのことを慕っていたから解放してくれたし、彼の性格だから牢獄で囚人たちと仲良くなれちゃったし…

そんなグスタヴとベルボーイのゼロの関係が面白い。。信頼関係あって仲も良いけど、友達とはちょっと違う感じ。ホテルでも牢獄でも雪山でも何処でもいいコンビで、2人のやりとりも面白いです。じわじわくる面白さ笑
冬季オリンピックのコースを猛スピードで駆け抜けるシーン、爽快感あって好き(笑)物語の時代設定1932年だから、何気にそこもきちんと正確なんですね。

濃い紫が基調のホテルのスタッフの制服も、ピンクの箱に入ったラブリーなメンドルのケーキも、どれもお洒落で可愛らしくて細部までこだわっているのを感じました。アカデミー賞4部門も受賞したくらいですからね…!

超面白い!とかではなく、なんか惹きつけられるなぁ…と感じる作品でした。
とにかくお洒落!!目で楽しむ映画!!
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