ウェス・アンダーソン監督作品、初鑑賞。
ヨーロッパ随一の高級ホテル、グランド・ブダペスト・ホテル。伝説のコンシェルジュ・グスタヴとその忠実なベルボーイ・ゼロが、ある常連客の殺人事件と遺産争いに巻き込まれ、事件を解明するべく飛び回る。
絵本の中に出てくるようなカラフルな世界で繰り広げられる冒険ミステリー
「ある人物から聞いた話を本にしたというストーリー」という入れ子構造。
長編ミステリーを読んでいるような、
グスタヴの伝説を間近で見ているような、
あるいは全てを失った哀愁漂う男の昔話を聞かされているような
不思議な感覚になった。
裏でおどろおどろしい殺人が起きてもどこかコミカル。
ページをめくるようにテンポよく進む展開に飽きることはなかった。
グスタヴとゼロのかけ合い、粋なセリフがまた良い。特に好きなのはZ to A。
コメディ色が強いものの、ところどころ戦争への批判が入っている。見つけたい人は見つけてね!という監督からのメッセージのようにも取れる。
アガサを演じたシアーシャ・ローナン、若き日の作家を演じたジュード・ロウ、鍵の秘密結社の1人を演じたビル・マーレイなど豪華キャストがちょい役で出てるのも贅沢。
今作はハマったので他の作品にも期待。