OASIS

47RONINのOASISのレビュー・感想・評価

47RONIN(2013年製作の映画)
2.0
「忠臣蔵」をモチーフにしたアクション・ファンタジー。
この「ファンタジー」という部分が重要で、妖術使いが居たり、「モンスターハンター」の敵みたいな獣が出てきたりもはや時代劇とは噛み合わないこの要素を受け入れる事ができるかどうかで楽しみ方が変わってくると思われます。
その他にも、舞台がどこの国なのかも分からないオリエンタルすぎるカラフルな衣装や、どうみても日本人な人達が普通に英語で会話しているというような事も気にせずに。
少なくとも、日本人向けに作られたものではなくて、これから世界に向けて順次発信していくコンテンツとして捉えれば、そんなに腹立つ事もないかと。

大筋はキアヌ・リーブス演じる架空の人物が架空のお姫様に恋をするという設定があり、その周りにたまたま忠臣蔵の登場人物の名前を付けられた奴らが集まってきたみたいな話。
当然キアヌが活躍するかと思いきや、それ以上に真田広之演じる大石の方が目立つという。
「ウルヴァリン:サムライ」の時よりも段違いに出番が多いです。
だから、中途半端に変えている部分が大真面目にやっているのか日本を馬鹿にしているのかが徐々に分からなくなってくる。
監督自身武士道精神を大事にしたいという事で、忠義を尽くす男たちが真面目に描かれているにも関わらず、ロマンス部分は昼ドラ並に稚拙であったりと、どうしても架空の部分が浮いてしまう。
おまけに一番盛り上がる部分である討ち入りのシーンでさえ、序盤に強敵の匂いをプンプンさせた鎧武者は一撃で葬られるし、蛇に変身した妖術使いもちょっと建物を壊しただけですぐに切り捨てられてしまうし、最大の敵である吉良でさえ何の大きな力を見せる事なく首を取られるわで、派手なシーンの連続であるにも関わらずテンションが下がる一方だった。
ファンタジーであるなら、全員巨人に変身するくらいの派手さがあっても良かっただろうにと思いました。
敵の印象があまりに薄く、妖しげな女を演じた菊池凛子くらいしか魅力を感じずに残念。

期待値を下げて観に行ったにも関わらず、それよりも下をするりとくぐり抜けていった映画でした。
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