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メタリカ・スルー・ザ・ネヴァーのKKMXのレビュー・感想・評価

4.0
 高校1年の夏に『バッテリー』を聴いて以来、ずっと愛聴しているバンド・メタリカ。本作はこの世界で最も偉大なメタルバンドのライブ&イメージ映像作品です。ぶっちゃけライブ作品で、ライブの合間にPVっぽい映像が挟まれるといった作りでした。


 とにかくメタリカのライブがカッコいい!現代のワーグナーと言えそうな重厚で高揚感のある楽曲は、高1の頃から1ミリも変わらず好きですね!ぜんぜん飽きないなぁ。というか、俺は好きになった音楽に飽きることはほとんどないんですが。
 この当時メンバーはだいたい50代ですが、ドラマーのラーズ以外はカッコいいですね!ラーズは茹でたインゲンみたいなズルムケな感じになってました。
 特にベーシストのロベルト・トゥルヒージョがイカす!全身バネみたいな身体能力で、中腰移動でベースを弾く姿のクリーチャー感はマジでありえないほどカッコいい!

 セトリもかなり良かったですが、ちょっと不満があるね!『ブラッケンド』と『ラストカレス』がないのはいただけない!正直『ブラッケンド』はパペッツ並みにマストで演って欲しい曲です!
 あとさ〜、『セイント・アンガー』もやってほしいね。カーク先生のソロがないせいか割と冷遇されていますが、めちゃくちゃ名曲だからね!デスマグの地味な曲やるんだったら『セイント・アンガー』やってほしい。それから神曲『バッテリー』を途中でカットしたのはいただけなかった。あのダッダッダッダッダッダッダッダッというツーバスパートが聴きたいのに!
 あと、『スルー・ザ・ネヴァー』というタイトルなのに『スルー〜』やんないのはどうかと思う。ストーンズの『シャイン・ア・ライト』でも同様な現象が起きていました。
 はっきり言って『スルー〜』はそうでもないからいいけど、『シャイン〜』は激名曲なのにオミットでエンディングで1分くらいってバカにしてるのかスコセッシ!…とここで『シャイン〜』の悪口言ってもしょうがない。

 ちなみに俺はライブあんまり行かないのですが、このようにだいたいセトリに不満を持つからなんですよ。ストーンズは定番曲を絶対やるので、ライブ行きやすいです。しかし『シャイン〜』にはムカついたけど。そういえば『ミス・ユー』もやってないんだよな、フザけんな!


 ライブ映像としても見どころ多いです。『ワン』のダララララララッ!ダララララララッ!という6連バスキックが、バスドラのアップを映していて最高!ラーズはルックスがダメだけど、ドラム叩く姿はイカす。立ち上がってシンバルだけ叩くとかロッキンでたまんないですよ。『マスター・オブ・パペッツ』のイントロとかね!ダッ!ダッダッダー!を立って叩くのカッコ良すぎ!顔は茹でインゲンだけど。
 『アンド・ジャスティス・フォー・オール』の崩壊する女神像や『ライド・ザ・ライトニング』の電気椅子は往年のツアーの再現っぽくて良かった。特に『アンド〜』は久々に聴いたけどやはり名曲だった!エンディングのカーク先生のオブリガードが絶品!
 どうでもいいけど4thは当時の新米ベーシスト・ジェイソンをいじめるためにベース音極小でミックスされているけど、トゥルヒージョがベースをリテイクしてベースミックス上げたバージョンをリリースしてほしい!


 個人的な意見ですが、メタリカは全年代カッコいいことを前提にしても、やはり4枚目までの楽曲に風格があります。5枚目のブラックアルバム以降はグルーヴ感が出てしまい、特別な曲から普通のいい曲になっちゃうんですよね。『エンター・サンドマン』とかそりゃカッコいいけど、綿密に構築された城砦のような風格はなくなっちゃいます(でも好きだけどね!)。ファーストはパンク感というかモーターヘッド感強めですが、2-4枚目はやはり特別なメタリカ・クラッシックとでもいうべき荘厳性があります!『マスター〜』とかもはや組曲みたいですからね。

 ラストのトラブルで照明が落ちる演出も良かった。ジェイムズが「昔はこんな暗いガレージでやってたぜ、キル・エム・オールの頃はな!」と言って1stから『ヒット・ザ・ライツ』をカマしたのはシビれた!勢いで『モーターブレス』もやってほしかったけどね!当時はムステインもいたんだよな〜とか思いつつ、長く続けるならばどう考えてもカーク先生だよな、そういえばメガデスのエレフソンは未成年女子とセクロスして首になったな最近…とか何故かメガデスのことまで思いを馳せました!熱いッッ!
 そしてエンディングがインストの名曲『オライオン』とは、やられましたね!く〜ッ!


 高校時代は3年間『バッテリー』を目覚ましにしてましたが、これからまたメタリカをアラームにして起きようかな!ばてりー!ばってーりー!
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