MasaichiYaguchi

メタリカ・スルー・ザ・ネヴァーのMasaichiYaguchiのレビュー・感想・評価

3.4
カナダ・バンクーバーにあるロジャース・アリーナでのメタリカのコンサートを凝った演出で映画化。
メタリカを久し振りに聴いたが、音の厚みが半端なくズシリと胸に響くし、触ると火傷してしまいそうな程熱い!
この作品で展開されるコンサートは演出も凝っていて、ビジュアル面でも充分楽しませてくれる。
次から次へと繰り出すステージの「仕掛け」には思わず唸ってしまう。
この映画は単なる音楽ライブ作品ではなく、メタリカの音楽世界を映像化したようなドラマが並行して描かれていく。
ドラマは、コンサートスタッフの青年がメンバーにとって重要なカバンをある場所から取ってくるように命じられ、その後の彼のナイトメアのような体験が描かれていく。
このドラマパートを演じるのがデイン・デハーンなのだが、プロモーション用ミュージック・ビデオレベルではなく本格的な劇場映画仕立てで、コンサートのライブ映像と絶妙にコラボしていく。
この作品を観て、メタリカは1980年にデビューして、その後40年に亘る活動の中でぶれることなく、骨太に歩んできた孤高のヘビィ・メタルのバンドなのだと改めて感じた。
本作で描かれた「派手な演出」をしなくても、彼らはその「ロック魂」と「ライブパフォーマンス」で充分観客を熱狂させるバンドだと思う。
鑑賞中思わず手拍子や拳を振り上げたくなったが、メタリカファンだけでなくロックファンならライブ気分で楽しめそうな気がする。