KANA

クラッシュのKANAのレビュー・感想・評価

クラッシュ(1996年製作の映画)
3.7

公開当時、デートで観た。
何気なくでなく、しっかり目星を付けてこれをチョイスした私たちって…笑

今改めて観て、突き抜けてるなぁと。
とんでもなく変質的な映画という意味で。

自動車事故にエクスタシーを覚えてしまうカークラッシュマニアたち。
生々しい性欲に無機質なクルマの破損をあてがうという倒錯。
ただその偏った世界観だけで完結させてしまってるクローネンバーグの確固たる姿勢がもはやアッパレ!

どこを切り取ってもアブノーマル極まりないのだけど、
カーセックス中にキャサリンがヴォーン(マニア集団の教祖)の性的なあれこれの想像を猥褻にささやき、ジェームズがいつも以上に興奮して燃えまくるところ、好き。
もはやヴォーンも彼の欲望対象になってるというイカれっぷり。
若きジェームズ・スペイダーが品のいいルックスだからこそ、インモラルに嵌っていくギャップがいい。

ハワード・ショアの冷ややかで官能的なサウンドもこの陰湿な世界観に大いに加担してると思う。この音はかなり好き。

モラルを取っ払って没入して観ると、ラストシーンまである意味芸術的といえるかも?笑
KANA

KANA