パエリア太郎

ザ・イーストのパエリア太郎のレビュー・感想・評価

ザ・イースト(2013年製作の映画)
4.5
夏になるとビルケンシュトックに足元を預ける私。映画の中で自分の慣れ親しんだ物に意味が込められてると嬉しくなりますね!!
僕くらいの鈍感力ともなると、彼女が髪色の変化に後から気づいた、、、。
モテない、、、。モテたい、、、。

なんちゅー映画でしょうか!!
なんと言って良いかわからない。
本当に色んな感情が芽生える映画でした。

途中でライトな王様ゲームをするのですが、変な気持ちなのです。僕の知ってる下世話なアレではなく、参加者が美しい所で繋がっている感覚になって、なんかちょっと感動してしまうのですが、これって凄く主人公に自分が感情移入してる証拠だと思います。この複雑な気持ちを共有してる気になります。
主人公が自分がテロ集団にいる目的を忘れて本気で個人として意見を出している様に見える場面が何個かあるのですが、もう女優さんが見事で、ここでも強く共感しちゃいます。

お話自体は凄くわかりやすい作りなのに、見るべき所が多くて
主人公の内面の揺らぎのスリリングさ、組織のテロは目には目を作戦で人道に反していても、ある程度の正義とフェアさに気持ちが寄ったりとか、製薬企業もそうですが、民間スパイ組織の利益追求の姿勢の怖さであったり
全体的な話をしましたが、もっと枝葉の話でも登場人物それぞれに焦点を当てても味わい深くて
単純な善悪の枠には収められない、凄く繊細で鋭い切り口で見てる間ずっと感情が刺激され続ける映画でした。

色々社会派エッセンスの話も書きましたが、そんな気取った物でもなくエンターテインメント性の方に比重が入っていて単純にお話の起伏を追っても全然オッケー!この内容で2時間たらずは少しボリューム不足かなとも感じてしまいました。
パエリア太郎

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