風の旅人

キャプテン・アメリカ ウィンター・ソルジャーの風の旅人のレビュー・感想・評価

4.0
「確かに私たちは世界の危機を招いた。
でも、それを守れるのも私たちだけ」
(ブラック・ウィドウ)

明確な敵の姿が見えず、相対的でしかありえない正義と正義の間で苦悩する現代のヒーロー。
強大過ぎる力は国の脅威になりかねない諸刃の剣。
それはテロリストと共に監視の対象になる。

キャプテン・アメリカは愛国心の塊で、星条旗をイメージしたコスチュームを着ている。
その姿はお世辞にも格好いいとは言えず、性格はいたって真面目で、面白みがない。
相棒のブラック・ウィドウには女性に奥手なところを度々からかわれる。
この地味なキャラクターを脇役陣(ブラック・ウィドウ、ファルコン、フューリーなど)の活躍で魅力的に映す脚本に感心した。

インサイト計画は政府が国民を監視し、危険分子を排除するというもの。
それは現実のウォーターゲート事件やスノーデン事件を踏まえている。
ヒーロー映画でありながら、キャラクターの魅力に頼らず、ドラマ性を重視した点を評価したい。
またハルクやソーなどの人間離れしたヒーローと違い、盾を使ったキャプテン・アメリカのアクションは見応えがある。
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