秩父街道の宿場町にて心優しい医者(志村喬)と出会った座頭市が、その土地を牛耳っているヤクザ組織と対峙する。勝新太郎が盲目の侠客を演じている、人気時代劇シリーズの第18作目。
敵対組織が雇い入れる用心棒を、複数名からなる無法者グループに置き換えている作品。ザ・悪党とも言うべき、分かりやすいヒール集団になっており、リーダー格の浪人役を待田京介、その他メンバーを小松方正、野川由美子などが熱演している。
乱暴狼藉を働く悪党との接触により、「めくらと笑われるのは構わないが、どめくらと馬鹿にされるのは許さない」という市の性格が、全面に押し出されている。また本作では「8歳のときに見えなくなった」と語られるが、整合性無視の曖昧な設定となっている。
普段通りの筋立てのため、「こういう人間関係になっているんだろうなぁ」なんて思っていると、本当にその通りになる。クライマックスでは、銃撃を受けた市が、満身創痍の状態で大立ち回りを展開。マカロニ・ウエスタンの影響が垣間見られる。