ものすごいものを観た。
カットなしの4時間半のフィルムが存在するらしいが、いつかそれを観られる日が来たらと切に思わされる。
しかしそれでも、映像から伝わってくる聖性には畏怖を覚えずにはいられない。カール・ドライヤーの『奇蹟』を随所に観るような心地で、カットのせいで語りの運びに難があっても、何か「聖なるもの」を感じられさえするならおそらく釘付けになる。
原節子、森雅之、久我美子、三船敏郎、この主役四人の演技がすごい。目の動きも、語るときのその凄みも。彼らの中で三船敏郎がいちばん影が薄いかもしれないと言えば伝わるだろうか。
おそらくこの映画を読もうとするなら、どの場面からも多くの意味を汲み取れるような気がする。こちらの理解力が及んでいないのが悔しい。もっと技法的なことも理解できれば。。。
何度も、何度も観たい。
そしていつか、どうか自分が生きているうちに完全版を。
きっとそれを観られたら自分は間違いなく星を五つつけるだろうと思う。