ドストエフスキーの長編を読み終わらせる時間があまりないので、黒澤明を通して。
最後のろうそくのみで部屋を照らすシーン、妙子と綾子の睨み合うシーン、音楽、映像がうまく絡み合い、緊張感がすごかった。
ちなみにオルゴールのシーンも好き。
原節子は本当に化けていた。というのも、小津映画の原節子をずっとみて来たから。
森雅之の血の気のない、狂気を孕んだ、紙一重の、危ない、優しさと誠実さをみながら、いつ裏面にひっくり返るのか、戦々恐々しながら見ていた。この役柄は森雅之で正解だったと思う。
三船敏郎の羅生門の時と似た、野蛮な、時たま小心者な演技もさすがであった。
すごく見応えがあった。