白痴の作品情報・感想・評価

「白痴」に投稿された感想・評価

hagy

hagyの感想・評価

4.0
初めての黒澤明
私はドストエフスキー小説のファンなんですけどね、全くこれは素晴らしいとしか言いようがないです
映画ですから、人物描写の細かさやエピソードの省略は大目に見るとして、それを上回るあれやこれやがありました、それが何かは映画のこと知らない私にはさっぱりですけどね、
とにかく何がすごいって、あのロシアの独特な雰囲気を日本バージョンでやってのけてしまうところです、それも違和感なく、いやそれどころか魅力的に仕上がってましたよ、映画として面白い
世界の黒澤はとんでもなかった...
たるい映画でした。
yui

yuiの感想・評価

-
2008
ドストエフスキー原作
黒澤明監督作品
ってだけで名作の匂いがプンプンするのに、キャストまでいい
原節子と三船敏郎と森雅之を同じ映画で観れるなんて。しかも原作が「白痴」だなんて。それだけで満足なのに久我美子さんがめちゃかわいいっていう。

そういう《なんなんだこの時代の日本の役者さんたちはっ!すごすぎる!》という作品。

原作小説はこんな話。
てんかん性痴呆症であり同時に極めて純粋な人柄のムイシュキン公爵は、心ない人からバカ(白痴)と呼ばれるが、彼は人の本質をひと目で見抜く力を持っていて、そのキレ味で一部の人達を魅了する不思議な人物。
彼はふとしたことから性格破綻者でならず者な資産家の子息ロゴージンと知り合う。そしてその直後、ロゴージンが惚れた女性に惚れてしまう。地域の名士の妾だったナスターシャだ。
ナスターシャはムイシュキンの純粋さに打たれて彼を好きになるけれど自分はムイシュキンにふさわしくないと考えロゴージンを選ぶ。かと思えばムイシュキンの元にくる。
3人がそんなことを繰り返すうち、情熱を秘めた令嬢アグラーヤもムイシュキンの純粋さに打たれてムイシュキンを好きになる。それを知ったナスターシャは、ムイシュキンとナスターシャを結婚させようとするが…。

ロゴージンとムイシュキンが意外と仲がいいというのがおもしろいところのひとつです。ロゴージンがナスターシャを殺し、ムイシュキンと共にナスターシャの死体と一緒に暮らし始めるという衝撃的な結末を迎える小説です。

キャストはこんな感じでした。
邦画史上知的なクズを演じさせたら右に出る者がいない私のヒーロー森雅之さんがまさかのムイシュキン。クズっぽい言動はいっさいなく、チャップリンぽい動作でちょいちょい笑わせてくれました。
本作での役名は亀田欣司(カメダ・キンジ)。ムイシュキンの「キン」が入ってるっ!

ナスターシャは原節子だったけど京マチ子のほうが私の中ではイメージ合ってたかな。役名は那須妙子(ナス・タエコ)…。苦しいけどがんばった感いっぱいの役名。
それにしても原節子の顔を見て吹き出す日がきてしまうとは思いもしなかった2018年秋。まさかの顔芸。原節子の顔芸…。
これだけでも本作を観た価値があったかも。けどやっぱこの役は京マチ子だったんでは…。

アグラーヤは久我美子さん。めちゃかわいい(2回目)。役名は綾子。アグラアヤ、だからアヤコなのだろう。かわいすぎてめまいがしました。

そして三船敏郎がロゴージンなので、性格破綻者というより無骨で粗野な中にお人好し感が出てるのだけど、それはそれでありな解釈だと思いました。むしろそれこそがロゴージンなのかも。
役名は赤間伝吉(アカマ・デンキチ)。けっこう長いこと考えたけどパルヒョン・セミョーノヴィチ・ロゴージンとのつながりは不明。甚平(ジンベイ)とか甚五郎(ジンゴロー)ではダメだったのか?

他には「東京物語」のお母さん役で有名な東山千栄子さんが印象深かったです。

松竹といろいろあった結果、黒澤監督にしては珍しい失敗作になったと聞いてましたが普通に観れました。
黒澤監督の映画はヨーロッパやアメリカの映画と共鳴し合っていてカッコいいっすね。

そして昔の邦画と今の邦画はなぜこんなにも違うのかといういつもの疑問。歴史はどこで断絶したんだろう。なんてね。



《レビューはここまで。以下はドストエフスキーについての私の思い出ww》



10代の頃「白痴」を読んだときは衝撃でした。ドストエフスキーにハマりました。当時の私にはドストエフスキーは完璧にホラーであり、同時に上質なメロドラマでもありました。闇の深い人物や純粋すぎる人物が入り乱れ、時にはその相反する要素がひとりの人物の中に現れ、読者の魂にどーんって突っ込んでくる感じなんすよ。まさにホラーです。

これの前に読んだ「罪と罰」では貧乏大学生ラスコリーリニコフが、最愛の妹ドーニャの金策結婚(ラスコーリニコフの学費を捻出するため好きでもないヤな感じの金持ちと結婚する)を阻止するため、金目当てに守銭奴な金満婆さんを斧で叩き殺すんですよ。そこをリアルに描写するんです。ぷるぷる震えましたね。10代だったから。

その後ラスコーリニコフは罪の意識から発熱に苦しみ、その状態で彼を怪しむ刑事や仲間を相手に不気味な討論を繰り広げながら、親友やドーニャ(このふたりはやがてくっつく)に心配されながら、最後は娼婦ソーニャ(だったかな)に女神を感じて救われるとか。B級映画のあらすじかっ!(笑)
いやいや不朽の名作と言われる小説なんですが。
Kazuho

Kazuhoの感想・評価

4.0
評価;S

教員としてはこれ以上望み得ないレベルで、よくできてます。

(中略)

黒澤明くんには、ぜひドストエフスキーガンダムに乗ってもらえればと思います。





実際、素晴らしい作品だと思います。アグラーヤとムイシュキンが落ち合うベンチとその周辺の描写など完璧です。最後トランプの話があればなお良しだったなー。ムイシュキンはロゴージンに対して君もナスターシャとトランプをやったのかと異常な興奮をもって訊くのですがそれはなぜか?について話したいですねえ。やはり2時間半じゃだめなのか
坂口安吾の「白痴」かと思ったら違ったけどまぁいいやで、
2時間46分、途中脱落しないか心配で見ようか見まいか悩みましたが(勝手にしろ)、大丈夫でした。全然付いていけました。良かったです。
森雅之って俳優さんはすごいですね。ずっとあの白痴のテンションを維持しつづけるのってすごいです。相当な役作りをされたんだろうと思いました。
ずっとブレずに知的な白痴を演じきった森雅之はこれぞ役者といった感じ。

ふと、町山さんの映画塾のフォレストガンプ編を聞く気になって聞いてたら、このドストエフスキーの白痴が話しに上がるのですが、フォレストガンプっていう映画問題も相まって、白痴っていうものが果たしてフォレストガンプや今作で表現される亀田のように白痴=美しいもの(キリスト教的教え)として描かれているものを真に受けるのもちょっと怖いなと思いました。(フォレストガンプは他問題が諸々ですが)白痴に皆がただただ影響され心洗われる…の奥底に潜む何かがある気がします。
長くなるから止めとこ。
深いぞ。

見処は、第二部後半にある妙子(原節子)VS綾子(久我美子)の顔面対決!
「永遠の処女」と呼ばれていた原節子が気の強い妾の役をしているのが新鮮でした。原節子の高笑いは貴重じゃないですか。この対決、圧倒的に原節子の勝ちなのですが、本当に原節子の顔面演技すごいです。このシーンを迎えるにあたり、黒澤監督は俳優たちにどんな言葉をかけてスタートをかけたのかすごく興味があります。春日さんなんか知らんかな、調べてみよ。
Abu

Abuの感想・評価

2.8
【酔どれ天使】以降の作品の中でワースト3に入る作品です。
黒澤監督と松竹はどうもいけない。
私の中では黒澤映画は東宝でなければならないという不文律があるようです。
自分自身の視野の狭さが嫌になりますが、今回久し振りに観てみてもやっぱり面白くない。
あの他者を圧倒する迫力もビックリ箱も鳴りを潜めてしまうような作風と社風が残念です。
そういえば【醜聞】も同じ匂いがしますね。
普通に考えれば文学作品を映画化した名作ですし賞賛にあたる。
でもそれだけなんですよ。
だから名作だけどワースト3になってしまいます。
takumi

takumiの感想・評価

4.0
ドストエフスキー原作の難しい話が幾分見やすくなっており、北海道も感じ取れる作品。
marica

maricaの感想・評価

4.5
好き。全編を通して所々に泣けるシーンが多い。ヒロイン2人がすっごい勝ち気で嫉妬深くて、特に妙子は気持ち分かるなぁという部分もあったり。綾子の母の減らず口にはイライラさせられるも「でもね、あたし心の底のどこかで『よくぞ選んだ』って気もするんです」の台詞にはまた泣かされます。1回だけじゃ理解しきれないと思うので何度も繰り返し観たい作品。
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