このレビューはネタバレを含みます
3人の話ではなく、1対1対1…の話だった。
人間関係は1対1しか本当は成立し得ない。
そう信じている自分にはこの切り口はあまりに鋭く、また1対1の世界に3人目の視点が入ることでお互いがお互いには見せない面を文字通り『何か』越しに見てしまう。
一方でいい時はいいの呪い映画でもあった。いい時の記憶が彼等を縛り、その繋がりを続けさせようとする呪いの引力が彼ら自身を苦しめる。
影にいきすぎた。
同じ人を好きになった2人が痛みを分け合うその一言と、それに対しあまりにも望みの薄い美宝の未来の話。
そして別れることは目に見えた美宝とシンランの終わりが、学生運動時代多くの観衆の前で恥ずかしげもなく美宝のためだけにできたあのポーズが、自らの子供1人のために返すことができなくなっている。
2人のいい時を終わらす、いい時のポーズ。
しかし、2人の終わりだけで終わらないのが今作。友人という曖昧でありながら確かな信頼関係が彼女を救う。
時代は現代へ。
リャンチャオは育ての親として双子に2人の友人の面影を感じ、振り返っていた。
構成、カッコ良すぎるだろ。