世間知らずのお嬢様の役がピタリ。
ボロボロに壊れて追い込まれた精神
そのイタさも狂気さも含めて
しっかり伝わってきた。
全てを失い
自尊心だけでその体を支えながら
転がり込んだ姉。
人懐っこさと人並みの愛情を持ち合わせ
裏切られだまされ世間と現実を知る妹。
単に浮き沈みだけでなく
男や金や家族や社会との距離感
様々なベクトルで
向き合う二人の明と暗を表現してる。
ジャスミンを
活字で表現すれば
単なるやな奴、いやな女にしか
見えないし聞こえないのに
なぜか彼女の演じるジャスミンは
嫌いになれない。
世の中には自尊心だけで立っている人も
いるだろうけど、彼女ほどそれを言葉として
吐き出し、それを受け止めてくれる
相手を持つ人がどれだけいるだろう？
姉妹の距離感がうらやましく
どちらにも共感できる面がある。
聡明と愚鈍、几帳面さとずぼらさ
見栄っ張りさと無頓着さ
受けいれたり逃避したり
単なる対比として描かれてもいなくて
姉妹を同時に見ていたから
微笑ましく
たくましく見えたのかもしれない。
高めたプライドを
どこで開放するのか？
手放せるのか？
兄弟、姉妹っていいものだと
久しぶりに感じさせてくれた作品。
