1980年代、中南米エルサルバドル。政府軍と反政府ゲリラ組織が血で血を洗う内戦を繰り広げている中、11歳の少年チャバは、父親が家を出たため、母親と妹弟を守らなければならなかった…。本作の脚本家オスカー・トレスの実体験を基にした作品。
エルサルバドル🇸🇻は、治安が悪い国じゃなかったかな…ぐらいのイメージしかなく、知識は全くなかったので、92年の和平合意締結まで12年も激しい内戦が続いて、約7万5千人もの人が犠牲になったなんて全然知らなかった…。
男の子は12歳になると兵士にされる。
楽しく、幸せなはずの子供の頃のお誕生日。
それを指折り数える事が、死に繋がるなんて。
想像しただけで…いや、想像もしたくない。
そして、想像する事もしない事も選択出来るって、本当に幸せで平和な事なんだと心底感じた。
戦地に行く訳じゃない。
街が、学校が、家が、日常的に戦場。
授業中でも食事中でも、突如として銃撃戦が始まる毎日。流れ弾は家まで入ってくるし、その流れ弾で死ぬ隣人や子供達。
今現在もアフリカや中東、世界のあらゆる場所で子供達が兵士として闘わされている現実…。
ラストに近づくにつれて、
やめて、本当にやめて、やめてくれと
涙が止まらなかった。
なんで戦争なんかするの。
なんで罪のない子供を巻き込むの。
なんで女性を犯すの。
なんで年寄りを殺すの。
なんで殺し合いをするの。
反政府とかさ、立ち上がって戦わなければいけない事もあるのかもしれない。でも、子供を兵士にしてまでやらなきゃいけない事ってあるのかな。私の考えが甘いのかもしれないけど…この内戦がアメリカの介入で治まったように、世界ってもっと助け合えないの?
今も難民問題とかあるし、戦争もしていない受け入れる側の国だから、デメリットを考えるのは理解出来るけど、これを観たらデメリットとか言ってる場合かよ!とより思わされました。
子供達が健気に生き残ろうとする姿。
子供をどうしたって守ろうとする親の姿。
祈っても、募金しても、なくならない戦争。
なくなる沢山の命。子供達の笑顔。
他に何が出来るんだろうね。
ほんと、無力。
今日は上島竜兵さんの訃報を朝聞いてから、ずっと悲しい気持ちが心にくっついたような一日だった。
いつもなら、こういう映画を観て、もっと何か出来るかなって考えたりしてる気がするけど、今日は無力さばかり感じて、悲しくて悲しくてたまらないです。
2022-170