文学者の小野和子さんが聞き手としてお年寄りから生きた「物語」を聞き出す活動を追ったドキュメンタリー映画。古風な言い回しや方言などが多用され、ご老人ならではの舌足らずな話し方によってすべてを聞き取ることは出来なかったし、かなりの集中を要した。映画である手前に貴重な資料である。時代や地域の違いによって同じ物語を聞いても全く印象が異なってくると小野さんは教えてくれる。聞き上手ってこういう人のことを言うんだなあと思った。昔話と言うのは、相槌を打ちながら聞くものであるというルールが面白かった。あまりに心地よい「えぇ、ぇぇ、えぇ」。が続いているとなんだか笑えてくる。
