安堵霊タラコフスキー

デデという娼婦の安堵霊タラコフスキーのレビュー・感想・評価

デデという娼婦(1947年製作の映画)
4.7
他の人の好評を見て、そういえばイヴ・アレグレって名前だけ知ってて作品は見たことないなと思い見てみたのだけど、ジャック・ベッケルやマックス・オフュルスに通じる美麗なカメラワークが拝めて中々気に入った。

オープニングクレジットの為の冒頭の長回しから名作の匂いがプンプンしたのだけど、前述のカメラワーク以外にも若かりしシモーヌ・シニョレが実に魅力的だったり当時の音楽が煩いアメリカ映画と比べて音楽の使用が最低限だったりと良い点が沢山見られる佳作という具合の映画。

見ていると大体予想がつく展開となってしまい非常に遣る瀬無い気持ちになるが、それはあの屑野郎含めキャラクター造形が良い証拠でもあるし、終盤予想外に後のメルヴィル的描写があったのも個人的には嬉しかった。

メルヴィルといえば影の軍隊で珍しくシモーヌ・シニョレが重要な役で起用されていたと思ったけど、もしかしたらこの映画の影響があったりしたのだろうか。