モミヂラミミヂ

自殺者1万人を救う戦いのモミヂラミミヂのネタバレレビュー・内容・結末

自殺者1万人を救う戦い(2012年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

正直、なぜ自殺するのかという社会的問題点がきちんとまとめきれてなく、かなり散漫になってるなという印象。
それだけこの問題が多岐にわたっている証拠だと思うけど。

が、日本の社会で生活してて気がつかない問題の糸口を外国人の視点から見れるという意味ではいいドキュメンタリーだなと思う。
自殺する作家が他国に比べて多いとか、自殺と保険金と消費者金融の関係性はかなりゾッとする。
自殺に追い込んで、保険会社から消費者金融に金流れるって搾取じゃない?

以下は私の自殺に対する感想や雑記をダラダラと。

【①なぜ自殺大国と思われるのか】
日本はぶっちゃけ自殺率は世界のベスト10入りはしていないのに、海外に行くと必ず自殺について聞かれる。
だいたいは村上春樹とか三島由紀夫や漫画が好きな方が質問してしてくる。
カルチャーとして日本の自殺に触れてなぜなのかと思うパターン。
しかし質問されてもなぜなのかまったく答えられない。
自国の事を語れないのが恥ずかしいってこういう事なんだと思った。

【②自殺が少ない国はなぜなのかを考える】
イタリア人、スペイン人と話したら「モミジはいつも笑顔で元気だね」と言われ
「元気ない時は部屋に引きこもって誰にも会わないもん。外いる時は元気だよ〜」と何気なく言ったら、めちゃくちゃ驚かれ、心配され、注意された。
「元気ない時は太陽を浴びて、とにかく友達とたくさん話せ!そんなのダメだ!!」
いきおいとしては肺がん患者がタバコ1日でワンカートン吸ってるのを怒られるみたいな感じ。
しかし今思う。
太陽をあびる、人と話すというのは心の問題の解決方法として医学的にも正しいことを。
南欧の人たちは生活の知恵として心の問題の解決の仕方が生活に組み込まれているのかな。
自殺の少ない国の人たちがどういうふうに過ごしているかというのを考えるのも大切な事だと思う。

【③精神疾患に対する知識や防止策がぜい弱】
精神疾患というと心の病、ヘタレという認識だと思うけど、今の会社に入って学ぶことが多く、だいたいは脳の病だと気がついた。
もちろん、脳が全てというのは乱暴な表現だとは思う。
でもだいたい脳のホルモンバランスとか認知の誤作動とかそこら辺に行き当たる事が多いかと。
ガン予防とかでタバコを!とかそういうのはあるけど、脳の病、つまり心の病は条件が揃えば誰でもなりうる。
自殺=脳(心)の病→毎年3万人が亡くなる病として予防策をとる事が大切。
そうならない為の生活習慣や働き方、病気になった時の対処の仕方についてきちんと知るべきなんだと思う。
いっそのこと保健体育とか家庭科とかで勉強するとか?
それ以外も必要だよね。
心の病、というとだいたいの人が知識がなく引いてしまう。
病気している本人も気を使って話せなくなり、余計孤立して悪くなってるという負のスパイラルもあるのでは。

【④残される人の悲しさ】
人間がリアルで交友してるのってだいたい100人くらいっていうのを何かで聞いた。
3万人×100人=300万人。
毎年300万人の人が、存在の喪失に泣いていると考えられる。
私は喪失こそが人間の心に最もダメージが来ることだと思う。
ここではあまり触れたくないけど、私の知人が突然、残された人になり、とても苦しんでいた。
その悲しさはなかなか表現しがたい。

【⑤行ってしまった人たちの辛さと悲しさ】
また、自殺する人の気持ちも、考えるだになんと言ったらいいか私にはその言葉がわからない。
うつ病になって自殺に至るまで、割と長いスパンがあると本で読んだ事がある。
裏を返すと自殺するまでの助走が長いという事は、長くずっと苦しみ続けてきたという事になる。
その辛さを想像するととても言葉は出ない。