キミシマユウキ

鑑定士と顔のない依頼人のキミシマユウキのレビュー・感想・評価

鑑定士と顔のない依頼人(2013年製作の映画)
4.1
超一流の鑑定士であるオールドマンはある日電話で美術品を競売にかけてほしいと頼まれる。しかしその依頼人はなになと理由をつけて直接は会ってくれず・・・

『ニューシネマパラダイス』『海の上のピアニスト』のジュゼッペトルナトーレによる上質ミステリー作品。
オススメしてくるユーザーさんが多かったので重い腰を上げてやっとこさ鑑賞。

おいおい・・・
平均4.0点いってないのが誠に残念な素晴らしい作品じゃないか。
他のユーザーさんが口を酸っぱくして書いているように今作は内容に触れたレビューを書くのは厳禁な代物だ。
前知識として知っとけばいいのは
”この鑑定士は現実の女性が苦手”
ということくらいだろう。ラブロマンス系映画が苦手な方も途中で投げ出さずに最後まで鑑賞することを強くオススメする。
直接的な内容以外に軽く触れると、登場するキャラクター達の無駄のなさや伏線の張り方が素晴らしい。

「いやお前この映画に必要なの?www」

みたいなやつまで重要だったりする。
邦題は嫌いじゃない。何も考えずに観るにはぴったりだと思う。
そして音楽。トルナトーレ監督作品の常連、またマカロニウェスタンの西部劇作品の音楽を手がけてきたエンニオモリコーネによる上品でエレガントな音楽がこの映画の世界にさらに没入出来るように誘ってくれる。最近は彼が音楽担当の映画をよく見るなぁ。ちなみに自分がスターウォーズぐらい楽しみなタランティーノ監督の新作『ヘイトフルエイト』でも彼が音楽を担当しているぞ。

出演者は意外と地味に収まっている印象。
主演は『パイレーツオブカリビアン』のバルボッサでお馴染みのジェフリーラッシュ。
彼のファンは必見!!いい年こいた老人が女性にトキメいたり、女性を覗いて興奮したり、女性と一糸まとわぬ姿で絡み合ったりするぞ!
あ、鑑定もするぞ!
主人公のよき相談相手役にジムスタージュンス。
『ラスベガスをぶっつぶせ』の主人公の印象しかない彼。かっこいいのに何故かそこまで売れてないのは残念。今回も好青年を演じてくれるぞ。うん。
また主人公の仕事仲間的役にドナルドサザーランド。
キーファーのパパ。貫禄がすごい。以上。
そしてヒロインは見たことも聞いたこともない人だったが美しかった。

ー贋作の中にも真実はあるー

未鑑賞の方は是非、
そして鑑賞したけどもよくわからなかった方は是非もう一度見て点数を考え直した方がいいかもしれない。
きっとあなたが想像しているより複雑に歯車が絡み合っている。

※見た人向けにネタバレコメントも書きました

ミステリー好き、鑑定好き、そしていい年のおじいちゃんが青春ラブコメみたいなことになってるのが見たい方にはお勧めの作品。