ロビンソン

鑑定士と顔のない依頼人のロビンソンのネタバレレビュー・内容・結末

鑑定士と顔のない依頼人(2013年製作の映画)
2.5

このレビューはネタバレを含みます

スコア通りあんまりいい印象を抱けなかった作品
この作品が好きな方すみません

観終わってから、色々な方のレビューや感想を読ませていただいたんですけど、観る人によってどんな結末で、ハッピーエンドなのかバッドエンドなのか全然違うんですね

私は、病院で廃人化してしまったヴァージルが時系列的に最後かななんて思ってました
映画をカフェのシーンで終わらせたのは、最初のレストランでもひとりで、色々な人と出会ったけど最後でもひとりだっていう繋げ方をしたかったのかなって
私のなかでは、ヴァージルが騙される→そのあとすぐクレアの家の近くの喫茶店に向かう→クレアが話していたカフェに向かう→でも来てくれなくて、何もかもを失ったことを自覚→病院で廃人になってそのことを回想している
って思ってました
救いようが無さすぎてすごく辛くなりました

ヴァージルが嫌みなおじさんだし、競りでも不正してるし、騙されても文句言えないのはわかってるんです
でも人の心を弄んで、大切にしていたのを盗むのはさすがに同情(´・_・`)
劇中だけだと、ヴァージルが嫌なやつっていう印象が弱いと思います

いじわるだなーって思ったのは、ヴァージルが老人だっていうところ
だからこそ、その年齢で騙されるのは観ている側としてはいい気はしないかな
もっと若ければ、この経験を良い方に活かして新しい出会いを与えたりして、はっきりとしたハッピーエンドにもできるんですから
でもこれじゃ希望がなさすぎるようにもみえます
監督がハッピーエンドって言ってるなら、誰でもそう見えるような結末にしてください
監督いじわる!

「贋作の中にも本物がある」っていうのは、騙していた(贋作)けど、クレアの愛は本物なんだよみたいなのかと思ってたので、ラストがカフェならそういうことかと素直に捉えられたかもしれません

この映画が好きな方には申し訳ないんですけど、私には素直に映画として良かった!とは言えないです
こういう内容だからこそ、ハッピーエンドかバッドエンドかわからないような構成にしないで、どっちかはっきりしなきゃいけないと思うんです

人を愛することや信頼することを知ったヴァージル
今まで長く生きてきたのに、知ることができなかった
でも知っただけで終わらせてる気がするのは私だけでしょうか?
こういうのって、そんな大切さを知ってから新しくパートナーとなりそうな女性と出会うシーンや、クレアだったりの再会までを描いてくれないと、ヴァージルにとって救いになったとは言えないと思います
それで監督自身がハッピーエンドっていうにはさすがにひどいようにも思いました
彼が愛を知ったからハッピーエンド?
カフェで来るかどうかもわからない人を待つのがハッピーエンド?
苦い思い出になったことに、人間らしさを手にいれたからよかったねってハッピーエンド?
私はそうは思わなかった
こんな風に思ってしまう私の心が汚いのかなー

良いように思わなかったのが、
監督自身がハッピーエンドと言ってるなら、誰がどう観ても一定の希望があるように描いてほしかったこと
ヴァージルの嫌な人感が足りないから、ただおじいちゃんが騙されているようにしか見えなかったこと
ヴァージルは愛することを知ることができたのに、それを映画のなかでは知らせたままで終わらせていること
っていうところでした
二度目を観ればもっと色々発見できると思うし、私が感じたことが間違ってるんだろうと思います
でも心へのダメージが思ったよりすごかったので二度目観れない(T_T)

でもこういう終わり方のおかげで私が気づけなかったこととか、レビューとかを観るのも楽しかったりします笑
だから私のレビューもそんな中のひとつってことでお願いします笑