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鑑定士と顔のない依頼人のyutaのレビュー・感想・評価

鑑定士と顔のない依頼人(2013年製作の映画)
4.0
ジェフリー・ラッシュの哀愁が素晴らしい。美しい女性の姿に執着を持ちながらも、生身の女性とは関係を持てないでいる孤独な老人鑑定士のもとに、全く自身の姿を現さない謎の女性から、屋敷の家具や美術品を鑑定して欲しいという依頼が来る所から物語は始まる。
結末はなんとなく途中から予想つく人もいると思うが、そこはあまり重要ではなく、ミステリーとしての魅力がたっぷり詰まった、完成度の高い洗練された映画という印象。細かな伏線も丁寧に回収されている。屋敷に住む謎に包まれた美女や、からくり人形、高級感溢れる料理や芸術品など、設定やしっとりとした雰囲気がまるで小説の中の世界のよう。愛を知らない苦しみもあるが、愛を知ってしまったが故の苦しみもある。大人ぁなミステリー。
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